一般社団法人日本フードサービス協会(JF)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2015年7月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体および業態別に集計し、前年同月比を算出している。それによると、7月の外食市場は前年比1.9ポイント増と全体売上は2カ月ぶり前年を上回った。
7月は、西日本を中心に梅雨前線や台風の影響があったが、梅雨明け後は関東地方を中心に好天に恵まれたことから外食需要は回復傾向となった。引き続きFR業態などが好調を維持していることに加え、客単価も継続して前年を上回っていることから、外食全体の売上は前年比1.9%ポイント増と2カ月ぶりに前年を上回った。
業態別にみると、ファーストフード業態は、全体売上は前年比0.1ポイント増と前年を上回った。洋風は、依然、食の安全・安心問題の影響が残り、中国での鶏肉問題が起きた前年と比べても、売上は同3.7ポイント減にとどまった。和風は、客数は厳しいものの新規の夏季メニューが好評で、売上は同3.4ポイント増となった。麺類も、総じて猛暑に対応したスタミナ商品や冷たい商品が好調で、客数・客単価ともに伸び、売上は同8.0ポイント増となった。持ち帰り米飯・回転寿司は、店舗数減による客数減の影響もあり、全体売上は前年を下回った。その他は、テレビCMやキャンペーンが奏功して客数が増え、「カレー」、「アイスクリーム」などの売上が伸びたとしている。
ファミリーレストラン業態は、全体売上は前年比4.7ポイント増と、27カ月連続して前年を上回った。業種別では、「中華」の客足が落ちた以外どの業種においてもマイナスの要素は無く、特に夏のスタミナ食のイメージが強い「焼肉」は、売上は同12.1ポイント増と好調に推移した。
パブ・居酒屋業態は、「パブ・ビアホール」は、関東地方の梅雨明けが昨年より早かったことやその後の好天などにより、売上は堅調であったが、「居酒屋」は店舗削減が続き、客数は2.9ポイント減、売上も3.3ポイント減と、ともにマイナスとなった。
ディナーレストラン業態は、商業施設立地の店が好調であったことや、客単価が引き続き伸びていることから、売上は前年比8.2ポイント増となった。
喫茶業態は、台風が客数に多少の影響を与えたものの、夏季商品の積極的販売などにより客単価が伸び、売上は前年を2.7ポイント上回った。(編集担当:慶尾六郎)