早くて、安くて、おいしい!2014年の外食産業を牽引する麺類系

2014年01月05日 16:52

 外食産業に未来はあるのか――。「少子化が進む日本で、フードビジネスの市場規模は大きくならない」といった意見を述べる外食ビジネスの専門家もいるようだ。

 景気が決して良いとは言えない経済状況の中、着実に売上を伸ばしている外食ビジネスもある。和製ファスト・フードとも呼ばれる「立ち食いそば」だ。定番である駅の中はもちろん、ロードサイドにも店舗が誕生している。

 好調な売上げの理由は、「回転率」の良さだ。サラリーマンが昼食で立ち寄り、お店に滞在時間は10分以内。商品単価は安くても次から次へとお客が来店する立ち食いそばは、調理時間も短く、効率よく稼ぐことができる。

 「そば処吉野屋<9861>」では機械製麺した瞬間にゆで釜に麺線を落として、打ち立て・ゆで立てを提供している。「価格も安いが、味も良い」とリピーターが続出している。今後、このジャンルで新規参入は続いていくと予想されている。2014年、立ち食いそばブームが到来するかもしれない。ちなみに、そば処吉野屋は座って食べることができる。

 外食産業全体の行方を考えてみたい。外食の定番だったファミリー向けの外食市場の縮小傾向は、より一層加速していくのではないか。日本フードサービス協会の調査では、いま外食率が高いのは「単身世帯」だ。2014年の外食産業は単身世帯をいかに取り込むのかが、重要なキーワードとなってくるだろう。同時に、丸の内タニタ食堂などのように、フードビジネスが「健康管理」というソリューション(解決)を担うことも予想される。

 2014年、外食産業は、「手軽さ&健康」が鍵を握っている。消費者の満足度を図り、来店へとつなげていくことが強く求められている。また、別の切り口では、外食産業は日本と食文化が類似している東南アジアなど海外に新しい成長・拡大の道を模索していくやり方もあるのではないだろうか。(編集担当:久保友宏)