17日の日経平均は反発。前週末14日のNYダウは69ドル高で続伸。NASDAQは反発した。7月の鉱工業生産は+0.6%で8カ月ぶりの大きな伸びになり+0.3%の市場予測を上回った。卸売物価指数(PPI)も+0.2%で3ヵ月連続上昇し+0.1%の市場予測を上回った。経済指標が良いと利上げ観測で上値が抑えられるが、ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援プログラムに合意したことでリスクオンムードがひろがり終盤は一段高に。CME先物清算値は20585円。17日朝方の為替レートは、ドル円は124円台前半、ユーロ円は138円台前半で、ユーロは高くなってもドルは上値を抑えられていた。
今週最大の注目指標、日本の4~6月期の国内総生産(GDP)は年率換算-1.6%で大方の予想通り3四半期ぶりのマイナスだった。個人消費は-0.8%、輸出は-4.4%と悪化したが、不確定要素が多かった在庫が+0.1%の伸びにとどまり1~3月期より伸び率が低下したおかげで、全体は市場予測の-1.8%よりも若干良い数値になり、マーケットには安心感がひろがった。
週明けの日経平均は80円高の20600円で始まる。TOPIXもプラス。午前9時11分に20668円まで上昇するが、上値追いはそこまで。中国人民銀行発表の基準値に異変なし。しかし上海市場がマイナスで始まると高値圏から滑り落ち、20600円も割り込んで前引けは70円高の20590円だった。後場は20603円で再開するが、たちまち20600円台を再び割り込んで戻れなくなる。おおむね20500円台後半の値動きが続き、午後2時ちょうどに20541円の安値をつける。小幅のプラスで終わるかと思われたが、上海がプラスに転じると2時台には値動きが大きくなり、終盤は上昇をみせて100円高の20620円と反発して終えた。TOPIXのほうが上昇率が大きい。上海総合指数は0.71%上昇。お盆休み明けで日本経済は再起動し満員電車が戻ってきたが、東京市場は逆にこの日から休みに入ったかのように商いが急減し、売買代金の連続2兆円超えの新記録が89でストップしてしまうという〃異変〃が起きた。
日経平均終値は100.81円高の20620.26円、TOPIX終値は+8.41の1672.87。売買高は17億株、売買代金は1兆9480億円。値上がり銘柄数は1289、値下がり銘柄数は492。28業種が上昇し、上位はその他製品、繊維、食料品、ゴム製品、ガラス・土石、建設など。石油・石炭、鉱業、不動産、情報・通信、その他金融の5業種が下落した。
18日の日経平均は反落。週明けのNYダウは67ドル高で3日続伸。8月のNY連銀製造業景気指数は7月の+3.86から大幅に悪化して-14.92で、6年4ヵ月ぶりの低水準。プラスの市場予測をひっくり返してダウは安く始まる。42ドル割れで6年5ヵ月ぶりの低水準になった原油先物価格、日本の4~6月GDPのマイナスも影響した。さらにNAHB住宅市場指数は市場予測と同じ+1の61で9年9ヵ月ぶりの高水準というちぐはぐさ。イエレンFRB議長は「天の岩戸」に隠れたままで、前週の人民元切り下げもからんで利上げ時期について思惑が交錯。ダウがプラスに浮上しても上値は追えなかった。ドル円は124円台半ば、ユーロ円は137円台後半でユーロ高は一服。CME先物清算値は20670円だった。
中国・天津の大爆発事故に続きタイの首都バンコクで爆弾テロ。8月はいまだ騒々しい中、日経平均は20円高の20640円で始まる。TOPIXも小幅高。午前9時10分の瞬間マイナスの安値20611円と、9時10分の高値20652円の間の41円幅の小動きが延々続く。波乱の前週と比べると売り買いのエネルギー自体が低下している。10時すぎに値動きが20635~20640円付近に収れんされたが、中国人民銀行に異常なく上海市場が小幅高で始まった前後から高値を取って上昇し、10時31分に20663円まで上がる。いつまでたっても上海次第の東京市場。11時台は、上海総合指数がマイナスになると、その下げ幅よりひどい先物主導の「ゲリラ急落」勃発。TOPIXを巻き込んでマイナスになり、20600円台も割り込んで前引けはほぼ安値引け、46円安の20574円だった。
後場はさらに安値寄りの20569円で再開。午後0時38分の20562円の安値まで下落する。上海は下げ幅を拡大して午前中の取引終了。値上がり銘柄のほうが数が多く、前場のマイナスで日銀のETF買いの思惑が入っても、薄商いなので先物主導の値動きに対抗できない。それでも徐々に値を戻しTOPIXはプラスに変わる。1時前に20600円に瞬間タッチする。1時台は20580~20590円台で推移した後、再び20600円を突破するが、上値が重くプラスになれずに押し戻される。そのまま2時台は20560円台までズルズル下がり、反転してV字回復かと思えば2時38分に20545円の安値更新。上海市場は午後の再開後は下げ幅を拡大してさえず、東京市場の売買が閑散としているために指数先物プレイになぶられっぱなし。17日朝発表のGDPのマイナスがやはり効いている。終盤も20600円台には戻れず、65円安の20554円で反落して終えた。プラスの時間帯が多かったTOPIXも最後の希望むなしくマイナスで終了。上海は最後は6.14%の大幅下落だった。
日経平均終値は65.79円安の20554.47円、TOPIX終値は-0.65の1672.22。売買高は18億株、売買代金は2兆309億円で大引けでやっと2兆円台乗せの薄商い。値上がり銘柄数950は値下がり銘柄821より多かった。プラスのセクターは15で、海運、銀行、ゴム製品、医薬品、保険、電気機器などが上位。マイナスのセクターは18で、石油・石炭、鉱業、サービス、情報・通信、精密機器、空運などが下位だった。
19日の日経平均は大幅続落。NYダウはプラスの時間帯もあったが33ドル安と反落。上海市場の6.14%の大幅下落やバンコクの爆弾テロでリスクオフのムードが再燃。7月の住宅着工件数は+0.2%で7年9ヵ月ぶりの高水準になり、ホームセンターのホーム・デポの決算も9%の最終増益だったが、住宅着工許可件数の減少、ウォルマートの5~7月期決算の純利益-15%という業績悪化が足を引っ張った。ドル円は124円台前半、ユーロ円は137円台前半でやや円高に振れ、CME先物清算値は20465円だった。