元沖縄北方担当大臣で自ら安倍総理の応援団と称する山本一太参院議員が「安倍総理が極右勢力に支えられているという誤った認識」とのタイトルのブログで、先の戦争について「あの戦争は中国、韓国を含むアジア諸国の人たちの目から見れば、明らかに『侵略的戦争』だった」と書き込んだ。
そのうえで「この事実を否定することは出来ない」とし「この点を曖昧にしたら、中国、韓国との間に真の戦略的パートナーシップは築けない」と元国際協力事業団や国連開発計画本部で仕事をしたバランス感覚の歴史認識と外交交渉の立ち位置をうかがわせた。
安倍総理の戦後70年談話についても「侵略というキーワードに関して、総理は(談話発表の)同日夜に出演したNHKニュース番組で「『中には侵略と呼べる行為もあった』とした21世紀構想懇談会に同意すると話していた」と紹介した。
山本議員は、安倍総理は総理在職中に「靖国神社に(2012年12月と同じような形で)公式参拝することはないと信じている」と記した。参拝は「戦後体制の修正主義者だと改めて国際社会に喧伝され、米国を複雑な立場に追い込むことは目に見えている」との懸念も示している。
この日のブログのきっかけは「複数の雑誌が(立て続けに)『安倍総理の取り巻きは極右ばかり』『安倍内閣は極右勢力の影響下にある』みたいな記事を掲載した」ところにあるよう。
ただ、安倍政権の誕生以来、道徳教育、国旗・国歌や愛国心、来年度からの中学での歴史認識にかかわる教科書への自民党議員連盟による地方議員への働きかけ、日米安保条約の双務性、そして国会審議中の安保法案など、右傾化への姿勢が浮き彫りになっており、これらが日本会議の目指す方向と一致しているところにも雑誌などで指摘される背景があると思われる。(編集担当:森高龍二)