若手を中心に国会議員に取材を申し入れたが、本人に応じる意思があるにもかかわらず、幹事長室から止められたという理由で断られる事例が最近になっても複数あった。幹事長室で止めているのか、などの問いかけが自民党の谷垣禎一幹事長に記者団から出、谷垣幹事長は「それはないと思う」と答えたが、党執行部からの指示が出ているのか、沖縄北方やITなどの担当大臣をつとめた3期目参院議員の山本一太議員は自らの判断で対応できる党だと発信している。
山本議員は今月3日のブログで「過去にも、自民党幹部から『テレビに出るのは極力、控えるように』みたいなお達しが回ったことはあった」としたうえで「が、それでも必ず自らの判断で出演する人たちがいた。そのことに対して、党本部が何らかの処分をしたなどということは全く記憶にない」と紹介する。
この中で、山本議員は「たしか2003年だったと記憶している。TV朝日の何かの報道をめぐって自民党執行部が激怒し『TV出演、特にテレ朝の番組に出ることは極力、控えて欲しい』という趣旨の文書(?)が発出された。そんな憶えがある。報道担当の副幹事長か誰かに確認したところ『最後はそれぞれの判断に任せる』ということだった。上記のお達し(?)が流れた直後、本会議場の外で遭遇した参院自民党の某幹部に『山本さん、今月のテレ朝の番組には出ないよね?もし出たら、後はないぞ!』と恫喝された。『ポストなんていらない!』とトンがっていた40代の山本一太は速射砲のように反撃した。『いいえ、私の判断で出るつもりです。何か問題があるんですか?』『何だ、その言い方は!』『何だとは何だ!』 そこから、喧嘩腰のやり取りになった。ちなみに、その時、やり合った議員は次の選挙で落選した。時代感覚が完全にズレていたからだ」と綴った。
山本議員は「TVに呼ばれた政治家が『オレは(私は)どうしても出る!そのほうが党のためになる!』と言い張れば、党の執行部は強引に圧力をかけて止めたりしない。が、しかし、そのことによって生じた影響や結果については全てその議員本人が責任を取らねばならない。ごく当たり前のことだ」と繰り返し強調している。
発言について責任を持つのは政治家として当然で、公人である以上、時の問題をテーマにした番組やアンケートには時間が許す限り、応じるのも筋だろう。
党の先輩や執行部の助言を受ける、受けないは別として、取材などに応じる・応じないは議員本人の責任で判断すべきことであるし、山本議員が発信する通り「議員本人が判断したということに他ならない」。議員には公人としての判断が求められている。(編集担当:森高龍二)