公明党の石井啓一政調会長は30日のNHK番組で安保法案の扱いについて「60日ルールの適用はもともと想定していない」と明言した。
石井政調会長は「60日ルールは参議院が法案を否決したという扱いになるので、参議院での議論が無駄になりかねない。参議院の存在意義を否定することにもなりかねない。参議院の皆さんは自ら結論を出すことになるのではないか」と語った。
自民党の小野寺五典政調会長代理(前防衛大臣)は「参議院でしっかり審議頂けると思う。国民のみなさんに、日本を守るために、日本人を護るために、法の隙間を埋めて、抑止力を高めるための法案であることを理解頂けるよう努力していきたい」とした。
民主党の大島敦政調会長代理は「安保法案は憲法違反であり、立法事実も非常に希薄になってきている。強行採決は民主主義に対する挑戦だ」と与党内にある60日ルール適用の声を強くけん制した。
維新の党の井坂信彦政調会長代理は「60日ルールの適用は論外だと思う。だからと言って、参院での強行採決もよくない。秋の臨時国会も含めてしっかり議論すべきだ」とした。
日本共産党の小池晃政策委員長は「安保法案に対する修正案は与党案に免罪符を与えることになる」とし「修正しても憲法違反は憲法違反だから」廃案しかないと強調。
また「60日ルールが言われること自体、大問題」とけん制。小池氏は「60日ルールでは参議院は法案を否決した扱いになる。従来の憲法解釈を根本転換するものを一院だけで決めるということが許されるわけがない」とし、60日ルールで成立させたら「立憲主義、法の支配を否定する独裁政治になる」と強く警鐘を鳴らした。
また小池氏は「国会の中では与党が多数だが、民主主義の力で止めなければいけない段階にきたと思う」とし「30日14時から国会を取り囲み、この声を与党は良く聞けと(国民と)一緒に訴え、廃案に追い込みたい」と語った。
社会民主党の吉川元政審会長は「主権者である国民が安保法案は憲法に違反しているといっている。それを時間がきたからと強行に採決することはあってはならない。廃案しかない」とアピールした。
次世代の党の和田政宗政調会長は「例外なき国会の事前承認を行うよう法案の修正を求める。国会がしっかり関与することが必要。また60日ルールは絶対に使わないで頂きたい。参議院がしっかり採決し、合意の上で法案を通すことが重要だ」と主張した。(編集担当:森高龍二)