若手の二人に一人“出世したくない”「責任がイヤ」「ワークライフバランス重視」

2015年09月01日 12:17

 いまどきの20~30代の若手社員のうち、出世したくないと考えている人の方が出世したいと考えている人よりも多いことが株式会社日本クロス・マーケティングの調べで明らかとなった。

 出世意向の有無について、「絶対に出世したいと思っている」と「できれば出世したいと思っている」の【できれば出世したい人】が40.8%に対して「出世はしたくないと思っている」と「出世にはあまりこだわっていない」の【出世したくない・こだわらない人】は59.2%となった。出世したい人よりもとくにしたくないと考えている人の方が上回る結果となった。

 出世意向については男女差もみられた。「絶対出世したい」と考えているのは、男性20代で22.4%、男性30代で11.6%、女性20代で6.0%、女性30代で8.0%となった。

 出世したい理由で最も多かったのは、「給与・年収が上がるから」が最多で79.7%。ついで「自分の成長が実感できるから(40.0%)」、「高い目標を持って働けるから(37.0%)」。一方、出世したくない理由で最も多かったのは、「ワークライフバランスのとれた生活をしたいから(46.6%)」「責任の範囲が広がるのが嫌だから(38.0%)」「出世をしても給与・年収がそれほど上がらないから(34.0%)」となった。

 出世をするために必要と思うことでは、「仕事で成果を挙げること」が75.6%で1位に。ついで「上司やメンバーとの良好な人間関係(62.2%)」、「社内・社外を含めた幅広い人脈(44.5%)」という結果となった。

 出世したいと回答した人のうち、希望する役職については、「わからない・決めていない」と回答した人が28.0%で最多。ついで、「主任・係長・班長・マネージャー」と「部長」がそれぞれ15.9%となった。

 そもそも出世自体に関心がない若手が多いようであるが、とくに男性の場合、実際に出世の分岐点となる30代になると出世意欲が半数近く減少する点にも注目したい。そもそも実際の希望役職についてのイメージもあまりなく、出世意欲と現実のキャリアパスが一致していない可能性が示唆される結果となった。(編集担当:堺不二子)