音楽を聴く環境がどんどんと変化している。かつてはCDショップに赴き、お気に入りのアーティストのCDを購入するか、たまたま試聴機で出会った未知のアーティストのCDを購入し、それを自宅のプレーヤーで再生して聴くのが主流であったが、今は違う。すでにアメリカがそうであるように、日本でもストリーミング(逐次再生)による配信でもって音楽と「出会い」、聴くのが一般的になりつつある。そうした環境の変化の中、米アップルが全世界100ヶ国以上で定額配信サービス「アップルミュージック」を開始するなど、各企業が定額配信サービスに相次いで参入している。
そして3日、米グーグルの日本法人が日本国内でストリーミング型の定額音楽配信サービス「グーグルプレイ・ミュージック」開始したとの発表を行った。こちらの「グーグルプレイ・ミュージック」は、グーグルのサーバー上に預けた自分のライブラリーの曲を聴くことができるサービスで、月額制で聴き放題の「サブスクリプション」、1曲ごとに購入できる「ストア」、ユーザーの保有する曲を5万曲までアップロードして保存することができる「クラウドロッカー」の3つの機能から構成される。このうち「サブスクリプション」では、月額980円で国内外の最新ヒット曲など3500万曲以上が聴き放題となる。また登録から最初の30日間は無料となるほか、10月18日までに申し込めば無期限で月額780円で利用することも可能となる。「ストア」は「サブスクリプション」を利用していない場合でも音楽を単体購入できるサービスで、1曲あたり150円から購入可能。「ロッカー」は無料で利用することができる。
「サブスクリプション」ではスマートフォン(多機能携帯電話)などに聴きたい曲のデータをその都度読み込むストリーミング型の仕組みをとっており、グーグルの基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」と米アップルの基本ソフト「iOS」を搭載したスマートフォンのほか、パソコン向けにも提供される。
「グーグルプレイ・ミュージック」では、ソニー・ミュージックエンタテインメントなど200以上の事業者が楽曲を提供する。サービスの開始は日本で60ヶ国目となる。グーグルは日本でサービスを開始するにあたり、期限を区切って米アップルの「アップルミュージック」よりも安価なメニューを提示することで、ユーザーを獲得したい考えだ。(編集担当:滝川幸平)