8月の消費者態度指数、2ヶ月ぶりに改善

2015年09月11日 08:22

 ガソリン価格の下落などを背景に、消費者心理を表す一般世帯の消費者態度が2ヶ月ぶりに改善となった。内閣府は9日、8月の消費動向調査の結果を発表。それによれば、消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)は前月よりも1.4ポイント上昇して41.7となった。2ヶ月ぶりの改善となる。消費者態度指数は「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目で構成されており、今回8月の調査ではこれら全項目が上昇した。調査日は8月15日で、8月下旬に発生した株価急落の影響は含まれていない。

 消費者態度指数を構成する項目別に見てみると、「暮らし向き」は前月よりも2.0ポイント上昇して40.1と、2013年9月以来の水準となった。「収入の増え方」は前月よりも0.3ポイント上昇して39.9、「雇用環境」は前月よりも1.6ポイント上昇して46.3、「耐久消費財の買い時判断」は前月よりも1.5ポイント上昇して40.3とそれぞれ改善した。調査開始直前のレギュラーガソリン1リットルあたりの価格は前月の144.7円から140.0円と下落、さらにここのところ相次いで行われていた食料品の値上げも一段落したことなどが消費者心理の改善につながったものとみられる。

 そして内閣府は、今回のこの結果を受けて、消費者心理の判断を7月と同じ「足踏みがみられる」に据え置いた。調査日は8月15日であり、その後に発生した世界的な株価急落の影響が含まれていないことが、据え置きの要因とみられる。7月の判断は「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から2ヶ月ぶりに引き下げられていた。

 そして1年後の物価見通しについては、「上昇する」との回答が前月よりも2.2ポイント減少して85.5%であった。「低下する」は前月よりも0.4ポイント上昇して3.7%、「変わらない」は前月よりも1.7ポイント上昇して8.4%という結果であった。

 消費者態度指数は「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目について今後半年間の見通しを5段階評価で聞き、指数化する。全員が「良くなる」と回答すれば100になり、「悪くなる」と回答すれば0となる。(編集担当:滝川幸平)