派遣期間の制限を撤廃する労働者派遣法改正案は11日の衆院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決成立の見込みだ。成立すれば、周知も含め異例の速さで、今月30日から施行する。
民主党の枝野幸男幹事長は「働く皆さんをモノのように、いかに安く便利に使えるか、そういう方向でわが国の働き方の基本ルールを改悪しようとするもの」と強く懸念。
労働法制の改悪で「多くの国民が貧しくなり、スキルを身につけられなくなる。そんなことで日本の社会が成り立っていくのか」と正社員の派遣社員への置き換えや生涯派遣での所得格差の拡大、さらに正社員への賃金、福利厚生への影響も含め懸念されているなかで成立を図る政府・与党を批判した。
連合の古賀伸明会長は、「生涯派遣で低賃金の労働者を多くつくる大きな懸念のある法案だ」とし「労働者は保護される、そのことでいきいきと働ける社会をつくっていかなければいけない。労働者保護ルール改悪阻止の運動を今後も展開していきたい」と、経団連言いなりのとの批判もある労働法制の見直し阻止へ、運動を強める姿勢をうかがわせた。(編集担当:森高龍二)