財務省と内閣府が11日、7~9月期の法人企業景気予測調査(資本金1000万円以上の法人)を発表。それによれば、大企業の景況感を示す景況判断指数(BSI、「上昇」と回答した企業の割合から「下降」と回答した企業の割合を差し引いた数値)はプラス9.6であり、2四半期ぶりに「上昇」が「下降」を上回ったことがわかった。4~6月期はマイナス1.2であった。自動車関連の景況感の大幅改善が影響した。ただし、前回の調査で見込んだ景況判断指数10.6は下回ることとなり、さらに中小企業ではマイナス11.2となっており、依然として景況感が低迷する状況が続いている。
法人企業景気予測調査では、全国約100万社の大企業(資本金10億円以上)、中堅企業(資本金1億円~10億円未満)、中小企業(資本金1000万円~1億円未満)を対象に景況感や今後の見通しなどを聞いている。大企業のBSIはプラス9.6、中堅企業はプラス5.7、中小企業はマイナス11.2であり、いずれも前回の調査を見込んだ数値を下回った。
大企業の製造業のBSIはプラス11.0であり、高水準で推移している。2期ぶりのプラスとなった。自動車・同部品製造業がプラス24.4であり、前期のマイナス26.9から大幅に改善した。新車投入を予定する自動車の景況感が大幅に改善した。そのほか、医薬品や化粧品が好調に推移している化学工業も改善をみせた。非製造業はプラス8.9と5期連続でプラスとなった。訪日外国人旅行者の増加により、宿泊・飲食業や娯楽業などでプラス幅が拡大。建設業や情報通信業もプラスとなった。中堅企業の製造業もプラス4.9であり、非製造業も5.9といずれもプラスとなった。一方、中小企業の製造業はマイナス12.5、非製造業がマイナス11.0と、いずれも低迷する現状が浮き彫りとなっている。
景況感の先行きは、大企業の10~12月期がプラス7.7であり、2016年1~3月期がプラス7.0となっている。また15年度の設備投資計画は、全産業で前年度比6.1%アップとなっており、前回の調査時の前年度比5.9%アップから上方修正された。(編集担当:滝川幸平)