【今週の展望】中間期権利確定イベント一本勝負の2日間か?

2015年09月20日 20:35

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5連休明けの2日間も、9月の権利付き最終売買日とその前日も、ボラティリティが大きくなるデータあり。大幅高の翌日は大幅安か?

 この2つの過去のデータから予測できそうなのは、今週2日間は「プラスとマイナス」または「マイナスとプラス」になりやすく、どちらも前日比3ケタの騰落で、特に24日は変動が大きくなりやすい、ということだろうか。ましてや今年は、夏から需給バランスが崩れっぱなしで日々のボラティリティがより大きな地合いになっている。大幅高と大幅安が交互にあるというのは短期売買にとってはチャンスで、いい勝負時かもしれない。

 とすると、24日と25日ははたして「大幅安→大幅高」なのか、それとも「大幅高→大幅安」なのか?

 21~23日の海外市場については、FOMCが9月の利上げを見送ったことでアメリカの株価の悪材料の一つが消え、グローバルな視点でもアメリカが新興国からマネーを吸い上げる懸念はひとまず遠のいた、というのがバックにある。NYも上海もヨーロッパもボロボロな株安になる恐れはどうやらなさそう。では、18日の日経平均終値18070.21円のテクニカル・ポジションはどうなのだろうか?

 移動平均線は全て上にある。5日線は18133円、25日線は18628円、200日線は19114円、75日線は19824円。〃乱世〃なのでその順番は乱れたままだ。日足一目均衡表の「雲」は20033~20328円で相変わらず「2万円台ワールド」のまぼろしに恋しているが、今週もその上限は22日に20545円のピークをつけた後は下がっても20191円どまりで、下限は20033円で固定されて未練がましい。しかし、週末の26~27日になれば大きなねじれを起こしながら19000円台に身を引く。雲は、激しく身悶えしながらようやく、2万円台の日経平均をサポートし続けた甘くせつない愛の名残りに別れを告げられる。「苦しみを伴わない愛はない」(ルイ・アラゴン)

 ボリンジャーバンドでは17757円の25日線-1σと19499円の+1σの間のニュートラルな領域にあり、一時の売られすぎの状態からは完全に脱した。それはオシレーター系指標についても言え、「売られすぎ」シグナルが点灯した指標は皆無。25日移動平均乖離率は-3.1%、騰落レシオは71.5、RSI(相対力指数)は41.4、RCI(順位相関指数)は28.7、ストキャスティクス(9日・Fast /%D)は59.7、サイコロジカルラインは6勝6敗で50.0、ボリュームレシオは39.9となっている。

 とはいえ9月9日の1343円高は、8月下旬のプチ・パラダイムシフト以後に初めて現れた「小さな革命」だったので、その影響は決して小さくない。その日を境に18000円が心理的なサポートラインとして現れた。前週のザラ場の安値は17925円で、18日も「まぼろし」の効果が薄れた9月SQ値18119円をあっさり割り込んだものの、18000円台はしっかりキープした。終値18070円は移動平均との位置関係から言っても底値に近く、今週は25日線の18628円は高すぎるとしても、その近くまでの反発はありそうだ。

 ということで、24日は大幅高、25日は折り返して大幅安という「いってこい」の2日間になると予想し、今週、権利確定ウィークの日経平均終値の変動レンジは18000円~18500円とみる。

 日経平均は毎日、飽きもせず取引時間が重なる上海総合指数と「中日連動」しているが、今週25日にホワイトハウスでオバマ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談が開かれる。中国の景気テコ入れ、人民元レートや株式市場の安定化など経済の問題では意見が一致しても、それ以外のサイバー攻撃や南シナ海や人権の問題などでこじれて、中国は「理解できない国」という見方をひろげてしまうかもしれないが……「人間をよく理解する方法は、たった一つしかない。それは、彼らを判断するにあたって、けっして急がないことだ」(サント=ブーヴ『わが毒 Mes poisons』小林秀雄訳)(編集担当:寺尾淳)