【今週の振り返り】安値引けを高値引けで6割戻し189円下落の週

2015年09月26日 20:31

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フォルクスワーゲンでここまで下げるか。24日は安値引けの498円安。安倍首相が黒田日銀総裁と会談すると、25日は高値引けの308円高。

 日本時間で早朝の講演でイエレンFRB議長は、利上げは年内が適切と改めて表明した。取引時間前に発表された国内経済指標は、8月の消費者物価指数(CPI)は8月全国が-0.1%で2年4ヵ月ぶりのマイナスになり、9月東京都区部は-0.2%。日銀が発表した8月の企業向けサービス価格指数は+0.7%だった。政府は月例経済報告を発表し、景気の基調判断を「このところ一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」と下方修正した。景気は停滞をみせている。

 3月期決算銘柄の9月中間期の権利付き最終売買日の日経平均は46円高の17618円で始まる。TOPIXもプラス。午前9時2分に17574円まで下げるがマイナスにはならず、V字反発して17700円を超え、9時13分に17779円まで上昇する。安い時に買えば配当利回り、優待利回りが良くなるので押し目買い出動、か? 9時台前半のうちに17800円を一時突破。キャタピラーが業績を下方修正したが、序盤はコマツ<6301>はプラス、日立建機<6305>はマイナスで分かれる。トヨタ<7203>は反発。しかし9時台後半は押し戻されて17700円を割り込み、利益確定売りの金曜日でもあり勢いが続かない。10時台は17700円台を回復しても一時的で、上海市場が小幅マイナスで始まると時計を合わせたように10時30分にTOPIXとともに日経平均はマイナスになる。先物主導の何ともあからさまな「中日連動」で、序盤のプラスがまるで海の上の蜃気楼のように消えてしまった。しばらくは前日終値の水平線上に浮いたり沈んだりし、17600円台に届きそうで届かない。上海がプラスに転じても状況は変わらない。11時台、上海がマイナスに落ちると日経平均は連動してマイナス圏で17500円も下回り、11時14分に17483円の安値をつける。そこから前引け直前にプラスまで挽回するが、前引けは11円安の17560円。TOPIXはプラスだった。

 上海市場の午前の取引は1.76%のマイナスで終了するが、日経平均は17600円台のプラスで再開。7月の毎月勤労統計調査確報値の実質賃金指数はボーナスが増えて+0.5%で、速報値から0.2ポイント上方修正。午後に安倍首相が首相官邸で黒田日銀総裁と会談し、夕方に記者会見を開くニュースが流れた。追加緩和という「贈り物」要請に期待して銀行や不動産など金利敏感セクターが買われ、日経平均は午後0時台はプラス圏の17600円台前半で動く。1時台は17700円台に乗せ、割れてもすぐ戻る堅調な展開。2時にかけて17800円に接近し、2時台には17800円台に一時乗せる。上海市場の午後の取引がマイナスで再開しても17700円台後半で下げ止まる。上海が1%を超えるマイナスで地を這っても終盤は高値を取りながら上昇が続き17900円に接近し、最後は308円高の17880円で高値引け。前日の498円安の約6割を取り戻した。TOPIXも大幅高で1450超え。安倍首相は黒田総裁に贈り物をねだったりはしなかった模様。上海市場は1.60%のマイナスで終了した。

 日経平均終値は308.68円高の17880.51円、TOPIX終値は+26.84の1453.81。売買高は26億株、売買代金は2兆8054億円。値上がり銘柄数は1583、値下がり銘柄数は255。前日とは真逆になり、値下がりセクターは海運1業種のみ。値上がりセクターは32業種で上位は不動産、電気・ガス、食料品、銀行、保険、建設などだった。

 今週の星取は1勝1敗。前週末18日の18070.21円から189.70円下落して、5連休明けの今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)