2015年10月11日、MotoGP第15戦、日本GPの決勝が行われる。例年シーズンの終盤に開催される日本GPは見どころが多く、昨シーズンはM・マルケス(レプソルホンダ)がこの日本GPで年間チャンピオンを手にした。だが、今シーズンは日本GPで年間チャンピオン決定とはいかないようだ。
今シーズン14戦を終えた時点でポイントランキングトップのバレンティーノ・ロッシ(モビスターヤマハMotoGP)は263ポイント、2位のホルヘ・ロレンソ(モビスターヤマハMotoGP)は249ポイント。今シーズンのチャンピオンシップ争いは、僅か14ポイント差の大接戦のため、最終戦までチャンピオンが決定しない可能性もあるのだ。
だが、だからこそ今回の日本GPの決勝結果が今後のチャンピオンシップ争いに大きく影響することは間違いない。V・ロッシとJ・ロレンソどちらが上位でゴールするか、日本GPで一番の見どころになるのはここだ。
もしV・ロッシがJ・ロレンソよりも上位でゴールすれば、二人の差は開き、年間チャンピオンの座は一気にロッシに近づく。だが、J・ロレンソがV・ロッシよりも上位でゴールすればその差は縮まり、順位によっては逆転という可能性もある。前戦のアラゴンGPでは圧倒的な速さと安定感で余裕の勝利を見せつけたJ・ロレンソが今回の日本GPでもその落ち着いた走りを見せ勝利を引き寄せるのか。それともV・ロッシが持ち前の勝負強さを発揮してJ・ロレンソを突き放すのか――。
いずれにせよ、ノーポイントレースだけは絶対に避けなければならない今回の日本GP、まずはチャンピオンシップをかけたこの二人のレース運びとその結果に注目だ。
ここで気になるのがポイントランキング3位につけているM・マルケスの走りだ。M・マルケスにとって日本GPの行われるツインリンクもてぎは得意なサーキットの一つ。今シーズンは既にチャンピオンシップ争いから脱落したM・マルケスだが、その分プレッシャーのかからない状態で得意の日本GPを迎えることができる。M・マルケスの走りがV・ロッシとJ・ロレンソのチャンピオンシップ争い影響する可能性も大いにあるのだ。
10日午後、気温20℃、路面温度24℃のドライコンディションで行われた予選、一番時計を出し、ポールポジションを獲得したのはJ・ロレンソ。2番グリッドにはV・ロッシ、3番グリッドはM・マルケスがつけている。注目の三者がフロントローに並ぶ形となった今回の日本GPはスタートから目が離せない展開になりそうだ。
さらにM・マルケスのチームメイトであり、6番グリッドからスタートするダニ・ペドロサ(レプソルホンダ)にも注目したい。今シーズンはいまいち乗り切れないD・ペドロサであったが、前戦アラゴンGPではファイナルラップにV・ロッシとの接触ギリギリの熾烈なバトルに競り勝ち、見事2位表彰台を獲得している。奮わなかったレプソル勢がここ日本GPで反撃なるか、これも見どころの一つである。
また、今回の日本GPではワイルドカード(特別参戦枠)として、高橋巧(チームHR)と中須賀克行(ヤマハファクトリーRT)の出場が決定している。今シーズンはMotoGPクラスでは日本人ライダーの参戦はなかっただけに、この二人がMotoGPクラスでどんな走りを見せてくれるか、今から楽しみだ。
予選の結果、中須賀は15番グリッド、高橋は19番グリッドと後方からのスタートとなるが、果たしてどこまで追い上げることができるだろうか。
そして、今回のレースの行方を大きく左右すると考えられるのが天候である。日本GPは比較的天気の安定した時期に行われるため、晴天・ドライコンディションで行われることが多い。だが、明日ツインリンクもてぎ周辺は雨予報。決勝レースの行われる午後は曇り~弱雨と予想されているが、この雨がレースのカギを握ることになるかもしれない。(編集担当:熊谷けい)