【今週の展望】18400円軸に上下各50円幅の抵抗帯がある

2015年10月18日 20:34

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「なんでもない日おめでとう」なのか、連日の大幅高、大幅安の祝祭空間。そこから抜け出す術は、日銀の追加緩和しかないのだろうか?

 アメリカ主要企業の決算は7~9月期の発表がたけなわ。今週は製造業大手、IT系が多くなる。

 19日にハリバートン、モルガン・スタンレー、IBM、20日にユナイテッド・テクノロジーズ、トラベラーズ、ベライゾン、VMウェア、ヤフー、インテューイティブ・サージカル、21日にボーイング、コカ・コーラ、テキサス・インスツルメンツ、イーベイ、アメリカン・エキスプレス、サンディスク、GM、22日にダウ・ケミカル、パルト・グループ、フリーポート・マクモラン、アンダーアーマー、3M、キャタピラー、マクドナルド、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、ニューコア、AT&T、23日にP&Gが発表する予定。

 日経平均は、終値20033円の8月20日までは「2万円台ワールド」にいたが、21日は終値19435円、週末をはさんで24日は終値18540円、25日は終値17806円と、3営業日で2227円も急落した。それ以後、終値が19000円台に乗ったのは8月28日の1日だけで「17000~18000円台ワールド」からいまだに抜け出せないでいる。

 中国の金融市場の大混乱とともに8月に起こったこの急落は、日本株の株価水準の真正の「パラダイム・シフト」なのか、それとも日本語化した「プチ」がつけられるような一時的な現象なのかは、もっと後になってみないとわからない。だが前週は、それが「プチ」で終われる良いチャンスだった。需給バランスのメカニズムでは、勢いがついて19000円台に乗せれば売りポジションの買い戻し、いわゆる「踏み上げ」の効果で短期間に一気に2万円までのぼる可能性があったからである。

 過去1年間のデータを見ても、昨年10月30日の15658円から11月5日の16937円まで3営業日で終値+1279円、今年2月17日の17987円から3月2日の18826円まで9営業日で終値+839円という「棒上げ」現象が起きている。昨年10月は黒田日銀の突然の追加緩和がそれをもたらしたが、今年2月はそんなサプライズ要素は見当たらず、オシレーター系指標の「買われすぎ」シグナルが無視された暴走気味の「春一番」だった。

 しかし前週、そのチャンスを活かせなかった。13、14日は「前の週に上げすぎて利益確定売りが入った」と解説されたが、それにしては2日で547円は下がりすぎ。上海市場の5日続伸にもNYダウの7日続伸にも逆らい、日経平均の「17000~18000円台ワールド」からの脱出を絶対許さない〃意志〃すら感じさせた。だとすると夏の終わりのパラダイム・シフトは、かりそめのプチではなく、真正のそれなのか?

 過ぎてしまえば、チャンスの女神はアヴァンギャルドなスキンヘッド。後ろ髪をつかめないまま国内外の経済指標はどんどん悪化していく。中国はもちろんのこと、アメリカも生産指標だけでなく、これまでは好調だった消費指標まで変調をきたし始めた。国内も停滞感におおわれ、依然として調子がいいのは雇用指標や訪日外国人数やオフィス空室率ぐらいのもの。今週は中国でもアメリカでも国内でも重要な経済指標の発表があるが、この調子ではとても期待できない。為替のドル円は、120円前後でウロウロする状況が8月末から1ヵ月半以上も続いている。

 アメリカでは7~9月期の決算発表がピークを迎えるが、FRBがQE3を終了させた1年前の状況とは違って、好材料も出るものの悪材料も目立つ。国内の3月期決算銘柄の4~9月期の決算発表は今週から11月上旬にかけてピークを迎えるが、事前の上方修正より下方修正のほうが目立っている。新聞に業績観測記事がゾロゾロ出てくる時期なので、業績のバッドニュースの「寒気団」が朝から冷気を株式市場に吹き込むかもしれない。ノーベル賞の後の経済ニュースは建てたマンションが傾いていたなど、悪材料ばかりだ。

 こんな閉塞状況から抜け出すには、30日の日銀会合で追加緩和の「贈り物」が出てくるのを待つしかないのだろうか?

 ファンダメンタルズも企業業績も株価を応援してくれそうにないのなら、需給やテクニカル指標はどうだろうか。

 東証発表の5~9日の週の投資主体別株式売買状況は、海外投資家が9週ぶりに2102億円の買い越しに転じた。個人は2週連続の売り越しで売越額は3308億円。信託銀行は1496億円の買い越しで7週連続の買い越し。夏場からの外国人の売り攻勢がようやく一段落した、と言ってもいいだろうか。信用倍率は5.95から5.21に低下。2兆円そこそこまで下がっていた裁定買い残は1745億円増加して2兆2468億円だった。カラ売り比率は前週14日は40.2%もあったが、16日は34.7%まで低下して「異常さ」が緩和された。需給は悪化せず、むしろ好転している。

 16日終値18291.80円のテクニカル・ポジションを確認しておくと、5日移動平均の18190円、25日移動平均の17996円よりも上で、200日移動平均の19149円、75日移動平均の19291円より下。前週は25日線を割って、再び上回った1週間だった。日足一目均衡表の「雲」は18774~19212円で、一時ははるか上空だったが、下端まであと483円まで近づいた。今週は上端は19181円で固定だが下端が18637円まで下がるので、8月20日以来の「雲タッチ」も十分ありうる。

 ボリンジャーバンドは、25日線-1σの17605円と+1σの18386円の間のニュートラル・ゾーンだが、+1σまではあと95円で上に寄っている。それでも前々週末よりは上がりやすいポジションに位置する。