全社長数に占める女性社長数の割合は7.51% 13.3社1社が女性社長であることが判明

2015年10月23日 08:13

 労働力不足が懸念されるなか、安倍内閣では「すべての女性が輝く社会づくり」を重要課題のひとつに掲げている。8月28日には大企業などに女性登用の数値目標を作るよう義務づける女性活躍推進法が参院本会議で可決、成立し、企業活動における女性への注目は高まっている。

 そこで、帝国データバンクでは、2015年9月時点の企業概要ファイル「COSMOS2」から「株式会社」「有限会社」の代表を務める社長のデータを抽出。業種、都道府県、就任経緯、出身大学などを集計・分析した。なお、同様の調査は2015年 3月26日に続き 3 回目である。

 まず、業種・大分類別で女性社長比率を見ると、トップは「不動産業」(16.24%)で、次に「小売業」(10.16%)であった。最下位は「建設業」(4.66%)で、「製造業」(4.76%)が続く。「建設業」は就業者総数に占める女性比率が低いことから、女性社長比率も低い結果となった。

 業種・細分類別に女性社長比率を見ると、「保育所」が46.64%と約半数を占めトップとなった。2位の「化粧品小売」(35.43%)、3位の「美容業」(34.46%)のように、“美”に関する業種も女性社長を多く輩出している。

 4位の「老人保健施設」(31.78%)、6 位の「老人福祉事業」(29.40%)といった介護関連業界もランクインしている。厚生労働省によると、保育士全体に占める女性比率が9割以上、社会保険・社会福祉・介護事業に携わる女性比率が7割以上を占めるほか、福祉サービスの充実・向上の中心的役割を担う介護福祉士の国家試験合格者のうち毎年7割以上が女性であるという。女性が多い職場環境ゆえに高い女性社長比率となっているとしている。

 また、都道府県別で女性社長比率を見ると、トップは「青森県」(10.19%)で、唯一の 10%超えとなった。2位は「沖縄県」(9.87%)、3位は「徳島県」(9.81%)であった。他方、女性社長比率で最下位だったのは「岐阜県」(4.95%)で、唯一の 4%台となった。「長野県」(5.63%)、「滋賀県」(5.79%)と続く。

 都道府県別上位3県(青森県、沖縄県、徳島県)の業種(大分類)を見ると、「全国」と比較し「青森県」と「徳島県」はどの業種も「全国」を上回ったが、「沖縄県」は「建設業」と「製造業」が突出している。下位3県(岐阜県、長野県、滋賀県)では、「長野県」と「岐阜県」は「建設業」が、「滋賀県」は「製造業」、「小売業」、「不動産業」が「全国」と比較して低い傾向にあるとしている。

 今回の調査で、全社長数に占める女性社長数の割合は7.51%で、13.3社に1 社が女性社長であることがわかった。業種別では「保育所」の約半数が女性社長であるのに対し、「建設業」や「製造業」における女性社長比率が著しく低いことを背景として、女性社長比率は組織の性別構成に比例するケースが多いとしている。(編集担当:慶尾六郎)