14年度のコンビニ売上高、初めて10兆円を超える

2015年10月27日 08:14

コンビニ

23日、日本フランチャイズチェーン協会は2014年度の全国コンビニエンスストアの売上高を発表した。

 セブン&アイ・ホールディングス<3382>が運営するセブン‐イレブンやファミリーマート<8028>などの大型チェーンが相次いで出店攻勢を行った結果、全国のコンビニエンスストアの売上高の総額がスーパーの売上高に迫るほどに高まっている。かつてコンビニエンスストアは、「ちょっとした買い物に便利」「スーパーが閉まってしまった後にも、買い忘れた商品を買うことができる」など買い物の補助的な役割として利用されていたようにも思うのだが、今回のこの結果をみると、もう多くの消費者にとってコンビニエンスストアとスーパーの間には大きな違いがないのかもしれない。そして商品の購入だけでなく、公共料金の支払いやカフェとしての機能などのサービス充実により、ますますコンビニエンスストアが私たちの生活にとって「身近な」存在になりつつあるようだ。

 23日、日本フランチャイズチェーン協会は2014年度の全国コンビニエンスストアの売上高を発表。それによれば、売上高は前年比5.4%アップの10兆1323億円であり、日本チェーンストア協会調べによるスーパーの14年度の売上高12兆9381億円に迫る勢いで売り上げを伸ばしている。売上高が10兆円を超えるのは初めてのこと。

 こうした売上高の増加の背景には、大手チェーンの相次ぐ出店攻勢がある。コンビニエンスストアの店舗数は今年2月末の時点で5万5774店と前年同期よりも2872店増えている。また、そうした店舗の増加だけでなく、淹れたてコーヒーやドーナツなどの「コンビニのカフェ化」にともなうメニューの充実、さらにはセブン‐イレブンの「セブンプレミアム」に代表されるプライベートブランド商品の充実などの効果も、売上高増加に対して大きな影響を与えている。
 
 そして日本フランチャイズチェーン協会は今回の結果に対して、高齢者の増加や働く女性の増加といった社会変化に対応することで、まだまだ売上高は伸びる可能性があるとの見方を示している。飲料品やお菓子だけでなく、生鮮食品なども取り扱う店舗もあり、もはやコンビニエンスストアは、現在の「スーパーマーケット」となりつつあるのかもしれない。コンビニエンスストアの拡大は、今後もますます加速化が予想される。(編集担当:滝川幸平)