拡大する通信トラフィックに対応する、業界最高クラスの80V耐圧DC/DCコンバータ

2015年10月31日 20:13

ローム

電子部品大手のロームは27日、大電力を扱う通信基地局や産業機器向けに、80V高耐圧のMOSFET内蔵DC/DCコンバータを開発した

 シスコシステムズが公表した「Cisco Visual Networking Index:全世界のモバイル データ トラフィックの予測、2014~2019年アップデート」によると、スマートフォンは2019年までに月間4.0GBのトラフィックを生成するようになるという。この数字は、2014年の月間平均819MBの5倍に相当する。

 トラフィックが増大すれば当然、通信基地局への需要も拡大し、そこで使用される電力も大きくなる。また、高機能化が進む工場のFA機器、モータアプリケーションでも、大電力を扱う場面が益々多くなってくるだろう。

 産業機器向けデバイスには「高信頼性」や「長期供給」が求められるが、それと同様に重要度が増しているのが、省電力かつ省スペースで、大電力に対応可能なパワーデバイスや電源ICだ。さらに大電力に対応する場合、雷などによる突発的なサージ電圧を受けても壊れないよう、入力電圧より高い耐圧が求められる。

 そんな中、アナログ設計技術を得意とするローム株式会社<6963>が、大電力(高電圧×大電流)を扱う通信基地局や産業機器向けに、80V高耐圧のMOSFET 内蔵DC/DCコンバータ「BD9G341AEFJ」を開発した。非絶縁型のDC/DCコンバータとしては業界最高クラスの耐圧となる80Vを実現している。

 また、保護回路によって、出力ピンが不慮のショートを起こした場合でも、発熱を抑えて製品の破壊を防ぐことができる為、従来の一般品と比較して、アプリケーションの信頼性も向上している。さらに、これらをシンプルな小型8ピンパッケージで実現したことで、実装面積と周辺部品点数の削減も可能だ。同製品は、2015年10月より月産6 万個の体制で量産が開始されている。(編集担当:藤原伊織)