保育園不足や長時間労働、「103万円の壁」など、女性の社会進出を阻む壁は多い。働く母親たちに、多様な雇用形態を紹介するコンソーシアム型プロジェクト「ママのはたらくインフォメーション」によると、3歳以下の未就学児をもつ母親の約2人に1人が「1日4~5時間労働で月収5~10万円になるパート・アルバイト」を希望している一方、生活のため、社会とのつながりも重視していることが分かった。
調査は同プロジェクトが、イベントおよびインターネット上で定期的に行っているもの。今回は、20歳~40歳以上の母親1287人に対して行ったウェブ調査の結果を中心に報告している。
母親たちに「理想の働き方」を尋ねたところ、現在働いている人/働きたいと思っている人/産休・育児休暇中の人の平均として、約2人に1人の母親が「パート・アルバイト(46%)」と回答した。続いて「正社員(41.3%)」「派遣社員(0.9%)」「個人事業主(7.7%)」「会社経営(1.9%)」の順。最も多いのはパート・アルバイトだが、「正社員」も4割と高い。これを「産休・育児休暇中」の人に限ると「正社員(76.9%)」が最も高い結果で、制度の恩恵を受けられるからこそ「正社員として働き続けたい」と考えている人も多いのだろう。
「1日に働く理想の時間」は、半数が「4~5時間くらい(51.7%)」、続いて「6~8時間くらい(35.9%)」、「4時間未満(8.3%)」と答えている。こちらも「家事や育児に影響が出にくく、子どもに負担がかからないと思われる時間配分で効率よく働きたい」という意向が伺える。
そんな未就学児の母親のたちに「最低限の月収」の希望額を尋ねたところ、約2人に1人が「5万~10万円未満(39.2%)」、続いて「10万~20万円未満(30.7%)」、「20万~30万未満(19.3%)」と答えた。総合では50%が、10万円~30万円未満の収入を得たいと考えている。また、現在働いていたり、産休・育休中など就労環境に近かったりする人ほど、希望最低月収額が高い傾向にあった。
「仕事を選ぶ際に重視したいこと」については、「職場に子育てママへの理解・配慮がある(53%)」、「給料が十分である(46.3%)」、「勤務時間を調整できる(42.5%)」、「仕事内容にやりがいを感じる(35.4%)」となった。およそ3人に1人以上が、「育児中だから思うようには働けないため、家事育児に負担にならない仕事を選ぶけれど、正当に評価されたい欲求もある」と感じている。
そんな母親たちに「仕事とは・働くとは」と聞いた結果、「生活のため(51.6%)」、「子どもの教育費を稼ぐ(16.3%)」、「社会とのつながり(11.1%)」、「自分が必要とされる場(5.7%)」の順となった。約7割が「生活と子どもなど家庭の経済的な理由のために、自らが働く必要がある」と感じている。働くことが社会との接点となり、つながりを求める欲求も満たしているようだ。(編集担当:北条かや)