飲食・小売業界のバイト、4割が「ブラック」学生調査

2015年11月12日 09:05

 近年、学生の自由を奪う「ブラックバイト」が社会問題化している。被害者の労働・生活相談などを手掛ける「ブラックバイトユニオン」の定義によれば、ブラックバイトとは「学生の無知や立場の弱さにつけ込むような形での違法行為が当たり前となっているアルバイト」のこと。違法行為として、残業代不払い、休憩時間の不付与、不合理な罰金の請求、パワハラ・セクハラの放置などがあげられるという。

 飲食、小売業界は多くの学生アルバイトを採用しているが、違法行為がまかり通る職場も多いと言われる。昨年は牛丼大手の「すき家」が、深夜の業務を1人のアルバイトに任せる「ワンオペ問題」がクローズアップされ、社会問題となった。

 アルバイト求人サービス「アルト」が今年9月、高校生から大学院生、その他学生など333人にネットアンケートを行ったところ、飲食、小売のアルバイトに就業する学生が最も多いなか、それらのバイトを「ブラックだ」と体感している学生は、他のバイトに比べ多いことがわかった。

 アルバイト経験について尋ねたところ、「経験はない」が32.1%、「飲食、小売のアルバイトの経験がある」が39.6%、「アルバイト経験はあるが、飲食、小売ではない」が28.2%だった。学生の中では、飲食、小売のアルバイトが最も一般的なようだ。

 なんらかのバイト経験がある学生に対して、「あなたのアルバイト先は、どちらかといえばブラックでしたか? ホワイトでしたか?」と聞いたところ、「飲食、小売業界」の経験がある学生では、

 「ブラック+どちらかといえばブラック」が44.6%に達した。それ以外の業界で働いたことのある学生で「ブラック+どちらかといえばブラック」と答えたのは21.2%だったので、飲食、小売業界でのアルバイトは、他業界に比べて約2倍、「ブラックな環境だ」と捉えられていることが分かる。サービス業ならではの労働時間の長さや苛酷さ、それに加え、賃金の低さなどが「ブラックだ」と感じさせる要因だろう。学生生活に支障をきたすケースもある。「おかしいな、辛いな」と感じたら、すぐにユニオンなど、無料相談を受け付けている機関に相談してほしい。(編集担当:北条かや)