日本銀行は20日、11月の金融経済月報を発表した。それによれば、国内の景気の現状について、「輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けている」とし、前月の判断を据え置いた。また現状、先行きとともに、項目別の判断も据え置いた。ただし、家計や企業の物価観を示す予想物価上昇率については「やや長い目でみれば、全体として上昇している」との判断は据え置くも、「弱めの指標もみられている」との表現を付け加えている。
「公共投資」については、「高水準ながら緩やかな減少傾向に転じている」とし、先行きについては、「高めの水準を維持しつつも、緩やかな減少傾向を続けるとみられる」としている。「実質輸出」については、「新興国経済の減速の影響などから、このところ横ばい圏内の動きとなっている」とし、中国をはじめとする新興国・資源国経済が製造業部門を中心に減速しているものの、「IT関連の輸出において持ち直し傾向がみられ始めている」ともしている。「実質輸入」は、「国内需要の動きなどを反映して、緩やかな増加基調を続けている」としている。「設備投資」は、「企業収益が明確な改善を続けるなかで、緩やかな増加基調にある先行指標についてみると、機械投資の先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)は、昨年7~9月以降4四半期連続の前期比プラスとなったあと、7~9月は、前期にみられた大型案件の反動もあって、やや大きめのマイナスとなっている」としている。そして「個人消費」については、「雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移している」としている。
物価面については、予想物価上昇率について前月の「やや長い目で見れば、全体として上昇している」に対して、「このところ弱い指標がみられる」との文言を付け加えている。さらに消費者物価(生鮮食品を除く)の前年比伸び率については、現状については「0%程度となっている」とし、先行きについては「当面0%程度で推移する」との判断を据え置いている。(編集担当:滝川幸平)