8月の資金供給量、13ヶ月連続で過去最高更新

2015年09月06日 12:46

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日本銀行が長期国債を中心に大量資産の買い入れを行っていることにより、日本銀行当座預金を中心とした資金供給量に増加傾向が続いている

 日本銀行が長期国債を中心に大量資産の買い入れを行っていることにより、日本銀行当座預金を中心とした資金供給量に増加傾向が続いている。日本銀行が2日に発表した8月のマネタリーベース(資金供給量、月末残高)によれば、7月末より1兆7082億円増加して327兆4457億円という結果であった。これで月末残高は13ヶ月連続で過去最高を更新している。

 8月の平均残高は前年同月比33.3%アップの322兆9269億円で、平均残高ベースでも過去最高を更新。内訳は日銀当座預金が前年同月比50.3%アップの227兆2613億円、紙幣の発行残高は前年同月比5.3%アップの91兆354億円、貨幣(硬貨)の流通高は前年同月比0.6%アップの4兆6302億円という結果であった。紙幣の伸び率は今年度に入って伸長しており、8月の前年同月比5.3%アップの91兆354億円は2003年7月の前年同月比5.3%アップ以来の高い伸びとなった。

 8月は国債の償還が少なく、大幅な資金不足であった。これを長期国債、国庫短期証券の大量買い入れで補った。前月比の増加率は0.5%アップであり、7月の前月比0.2%よりもやや縮小した。しかしそれでも、日本銀行が2%の物価上昇を目標に、大規模な金融緩和を実施していることが影響して、マネタリーベースの増加傾向が続いている。

 マネタリーベースとは、世の中に出回るお金(紙幣、硬貨)と、金融機関が日本銀行に預ける当座預金の合計のことで、日本銀行は市場に大量の資金を供給するため、14年10月にマネタリーベースを年間約80兆円に相当するペースで増加させる方針を決定している。長期国債を中心に大量資産の買い入れを行うなど、大規模な金融緩和を実施している影響から、マネタリーバランスは13ヶ月連続で過去最高を更新するなど、日本銀行の当座預金を中心に増加傾向が続いている。そして日本銀行は、上記の年間約80兆増加させるペースで資産の買い入れを続けており、今年末見通しの350兆円程度に向けて積み上げは順調に進行しているものとみている。(編集担当:滝川幸平)