女性20% 経済で食品控えた、買えなかった

2015年12月10日 09:46

 厚生労働省が昨年11月に実施した「国民健康・栄養調査」で20歳以上を対象にした調査(男性3566人、女性4054人)では過去1年間に菓子や嗜好飲料を除いて、経済的理由で食品を買うのを控えた、あるいは買えなかったことがあるかでは「よくあった、時々あった」が男性の17.2%、女性の20.6%にのぼった。女性の30代では26.3%に上っていた。

 また、今回の調査で所得格差が食生活など生活習慣にも出ていることが裏付けられた。それによると、低所得世帯では高所得世帯に比べ穀類摂取量が多く、野菜や肉類の摂取量が少なく、習慣的に喫煙している人の割合は高く、健診未受診者の割合も高くなっていた。合わせて、歯の本数が20未満の人の割合も高くなっていた。

 調査は身体状況、栄養摂取状況、生活習慣の3つの調査を、5432世帯を対象に行い、3648世帯から有効回答を得てまとめた。

 穀類摂取量では世帯の所得が600万円以上の世帯に比較し、男性では200万円未満と200万円から600万円未満の世帯で多く、女性では200万円未満の世帯で多かった。野菜類や肉類の摂取量は男女ともに600万円以上の世帯に比較して、200万円未満と200万円から600万円未満の世帯が少なくなっていた。

 数値で見ると、男性では600万円以上の世帯での穀類摂取量を100とすると200万円未満の世帯では108になる。逆に野菜では79、肉類では83になった。低所得世帯では食生活に大きく影響していることがうかがえる。(編集担当:森高龍二)