MVNO契約数、88.9%増。16年3月末には4000万回線超へ

2015年12月14日 07:40

 SIMロックフリーの追い風を受けて、「格安SIM」という大手キャリアから独立して独自のサービスを提供する独立系MVNO(仮想移動体通信事業者)の契約数が急増している。IT関連調査会社のMM総研は8日、2015年9月末のMVNOの契約数を発表。それによれば、契約数は前年同期比88.9%増の3642万回線という結果であり、MM総研は16年3月末までに、スマートフォン(多機能携帯電話)などの他の機器同士をつなぐ端末回線も含めて、4000万回線を突破するのではないかと予想している。

 回線の種類別に見てみると、BWA(WiMAX、AXGP)が2567万回線であり、全体に占める割合は70.5%と最も多かった。そのほか、携帯電話(3G/LTE)が1065万回線であり、全体に占める割合は29.2%、PHSが10万回線であり、全体に占める割合は0.3%であった。

 そしてスマートフォンなどに差し込むSIMカードで独自のサービスを提供する独立系MVNOの契約数は、同76.1%増の405万8000回線で、大きく契約数を伸ばした。この「格安SIM」は14年9月末の時点で230万5000回線であり、1年間で170万回線以上伸びており、今後もこの勢いは続くものとみられている。そして、今回の調査では独自サービス型のプリペイド回線の契約数は含まれていないが、15年4~9月期で約40万枚のSIMカードが販売されたと推測されている。

 独立系MVNO事業者の契約数シェアを見てみると、「OCN モバイル ONE」などを提供するNTTコミュニケーションズが94万1000回線で23.2%と最も多く1位、続いて「IIJmio」などを提供するインターネットイニシアティブ<3774>が71万9000回線で17.7%と2位になった。そのほか、「YAMADA SIM powered by U-mobile」をヤマダ電機<9831>と共同でサービスを提供しているU-NEXT<9481>が29万7000回線で7.3%という結果で3位。前回3位だったビッグローブは25万5000回線で6.3%と、3月末の時点よりも順位を落とし4位となった。

 こうして目覚ましく契約数を増やし続けている独立系MVNOの「格安SIM」だが、MM総研はこの契約数が、16年3月末には510万回線に、そして17年3月末には770万回線にまで増えるのではないかと予想している。(編集担当:滝川幸平)