大企業の景況感プラス4.6。前回の見込みを下回る

2015年12月14日 08:44

画・消費者態度指数、前月からマイナス1.2ポイント 物価高受け不安広がる

財務省と内閣府は10日、10~12月期の法人企業景気予想調査の結果を発表した

 財務省と内閣府は10日、10~12月期の法人企業景気予想調査の結果を発表した。それによれば、大企業の全産業の景況感を示す景況判断指数(BSI)はプラス4.6であり、2四半期連続でプラスとなった。ただし、前回調査の7~9月期ではプラス9.6であり、プラス幅は縮小。さらに前回調査で見込んでいたプラス7.7を下回る結果となった。これには中国経済に対する懸念が影響しており、景気の先行きに対して不安が募っている現状が浮き彫りとなった。

 法人企業景気予想調査のうち、大企業の製造業のBSIはプラス3.8(前回調査の見込みプラス10.5)であり、これで2期連続の上昇となった。非製造業はプラス5.0(前回調査の見込みプラス6.2)であり、こちらは6期連続の上昇。中堅企業は全産業でプラス3.5(前回調査の見込みプラス8.0)、製造業はプラス1.1(前回調査の見込みプラス7.3)、非製造業はプラス4.2(前回調査の見込みプラス8.2)、中小企業は全産業でマイナス7.7(前回調査の見込みマイナス1.4)、製造業はマイナス6.6(前回調査の見込みプラス1.4)、非製造業はマイナス7.9(前回調査の見込みマイナス1.9)であり、大企業、中堅企業、中小企業のすべての項目で前回調査の見込みを下回った。

 そして景況感の先行きについては、大企業の全産業で2016年1~3月期がプラス5.6、4~6月期がプラス1.3、中堅企業の全産業で16年1~3月期がプラス2.3、4~6月期がマイナス0.9、中小企業の全産業で16年1~3月期がマイナス7.9、4~6月期がマイナス4.6となっている。

 15年度の設備投資については、全産業で前年同期比7.5%増の見通しで、前回調査の6.1%増を上回った。16年度の見通しについては、大企業、中堅企業、中小企業ともに「今年度並み」が最も多く、大企業が43.7%、中堅企業が42.9%、中小企業が40.4%であった。

 雇用の「従業員数判断」BSIは、大企業の全産業でプラス13.3、中堅企業の全産業でプラス23.2、中小企業の全産業でプラス19.0と、わずかではあるがいずれも前回調査を上回っている。

 景況判断指数は自社の景況が前期に比べ「上昇」したとの回答割合から、「下降」の割合を引いた値から算出される。今回の調査は資本金1000万円以上の企業約1万6000社を対象に行われ、1万3001社から回答があった。(編集担当:滝川幸平)