維持管理で評価上のBより、工費と工期等でAに

2015年12月23日 11:52

 安倍晋三総理は22日の新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議に出席し、JSC(日本スポーツ振興センター)から設計・施工2業者の応募に対し、大成建設らの共同企業体が応募した「A案」を採用することになったとの報告を受けたとし「関係閣僚会議として選定が適切になされたものであることを点検した」と述べた。

 そのうえで新整備計画について「基本理念、工期、コスト等の要求を満たす素晴らしい案と考えている。新国立競技場を世界最高のバリアフリーや日本らしさを取り入れた、世界の人々に感動を与えるメインスタジアムに、次世代に誇れるレガシーにするため、全力で取り組んで頂きたい」と語った。

 A案とB案の技術提案など審査委員会審査結果によると、A案がB案に優っていたポイント数は業務の実施方針(8ポイント)事業費の縮減(3ポイント)、工期短縮(27ポイント)環境計画(4ポイント)で、B案の方が高かったポイントは維持管理費の抑制(6ポイント)、ユニバーサルデザインの計画(5ポイント)、日本らしさに配慮した計画(2ポイント)構造計画(3ポイント)、建築計画(18ポイント)となっていた。

 完成後の維持管理費や日本らしさに配慮した計画、建築計画といった重要な要素はB案が優ったが、工期短縮と事業費の縮減、環境計画、特に工期短縮のポイント差が総合点で610点と602点の差をつける結果になった。

 建設費は税込みでA案は1489億9993万2000円。設計・監理などの費用は39億8584万8000円。工期はオリンピック開催前年の平成31年11月末になっている。

 A案は地上5階、地下2階建て。高さ49.2メートルと高さを抑えたデザインで周辺環境との調和を考えたものになっているという。客席数は約6万8000席。延べ床面積は19万2363平方メートル。(編集担当:森高龍二)