国や地域の生産力の目安となる1人あたりの名目国内総生産(GDP)だが、2014年の日本のGDPは、経済協力開発機能(OECD)に加盟する先進国34ヶ国のうち、20位だったことがわかった。13年は19位であり、1つ順位を下げただけでなく、1970年以降で最も低い順位となった。
内閣府が25日に発表した14年の国民経済計算確報によれば、日本の1人あたりのGDPは前年比6.0%減の3万6200ドルであった。前年の19位から順位を落として、イスラエルに次いで20位となった。円ベースでは同1.7%増の385万3000円で、3年連続のプラス。人口が0.2%減少する一方で、総額が1.5%増加したことが影響している。この385万3000円という額は、07年度の400万8000円以来の水準となる。こうして円ベースが増加し、ドルベースが減少したのは、円安・ドル安が影響したためとみられる。1人あたりのGDPが最も高かったのはルクセンブルグで、11万6199ドルであった。アメリカは5万4353ドルで7位、韓国は2万7970ドルで23位であった。OECDに加盟していない中国は7590ドルだった。
そして日本の14年のGDPの総額は4兆6055億ドルで、前年よりも3045億ドル減少。アメリカ、中国に次いで6年連続で3位となった。世界全体のGDPに占める日本の割合は、新興国の成長が影響して前年よりも0.7ポイント低下して5.8%であった。アメリカは22.0%で首位、中国は0.6ポイント増加して13.1%で2位であった。
日本の1人あたりのGDPは1996年の3位以降、経済の伸び悩みが影響して順位を落とす傾向が続いている。14年はG7(主要7ヶ国)のうちでも、イタリアをわずかに上回って6位。OECDに加盟していない国々では、シンガポールに続いて香港にも抜かれている。今回のOECD内で20位という順位は、さかのぼることが可能な70年までの45年間で最も低い。円ベースでは1.7%増であることから、円安・ドル高の影響によるものという見方もできるが、70年は1ドル360円の時代であり、その時よりも順位が低いという事実は決して見過ごすことができない。(編集担当:滝川幸平)