子どもの家庭学習かうまくいくコツは?「やる気ホ?イントをつかむ」などの3つ

2015年12月30日 17:47

 KUMONは、小学校1~3年生の子を持つ共働き世帯の母親 1,000 人を対象に、「小学生を持つ家庭での家庭学習実態とやる気」に関する調査を実施した。

 「家庭学習として行っていること」を聞いたところ「学校の宿題」が94.2%と断トツのトップ、以下「通信教育」が30.6%、ドリルなど両親が与える課題が20.8%だった。学習時間(平日1日あたり)は、平均で32.0分、頻度は平均で週に5.7回。

 家庭学習に関して、「とても悩んでいる」(10.6%)、「少し悩んでいる」(42.1%)と答えた合計は52.7%。「家庭学習がうまくいっているか」をたずねる質問では、「うまくいっている」が65.9%だがそのうち37.0%が「とても悩んでいる」「少し悩んでいる」と回答。このことから、家庭学習が「うまくいっている」と思っている母親の中にも、何らかの悩みを抱えているということが明らかになった。

 では、母親たちは何をもって家庭学習が「うまくいっている/うまくいっていない」を判断しているのだろうか。家庭学習がうまくいっていると思う状態についてたずねると、「子どもが自ら進んで家庭学習ができる」(54.8%)、「子どもが日々決められた学習量をこなすことができる」(42.0%)が上位にあがった。一方、家庭学習がうまくいっていないと思う状態については、「声をかけてもだらだらとし、すぐ行動に移さない」(53.3%)がもっとも多く、続いて「いちいち指図しないと動かない」(35.9%)があげられており、学習への自主的・意欲的な姿勢がみられるかどうかが、家庭学習が「うまくいっている/うまくいっていない」を判断する根拠となっているようだ。

 家庭学習が「うまくいっている」と答えた母親には、何か行動や意識に特徴はあるのだろうか。それを探るために、日ごろ子どもの学習状況や態度を、どのくらい把握しているかを調べて見た。

 観察ポイントを17項目あげ、該当するものを選んでもらい、選択した数によって、観察力が「高」(15個~17個)、「中」(11個~14個)、「低」(0個~10個)の3つの層に分類して比べた。子どもの観察力が「高」の母親では、82.6%が家庭学習の取り組みが「うまくいっている」と回答しているが、「中」では65.3%、「低」では50.3%となり、観察力が下がるほど「うまくいっている」割合が低くなる。以上の結果から、観察ポイントの数と、“家庭学習が「うまくいっている」こと”に、相関関係があると推測することができる。

 17の観察のポイントのうち、家庭学習の取り組みが「うまくいっている」層と「うまくいっていない」層を比べて、実施している割合の差が大きかった項目は、「わが子がやる気になるポイントをつかんでいる」(30.8ポイント差)、「怒ることより、ほめることを大切にしている」(27.8ポイント差)、「家庭での学習に取りかかるタイミングを把握している」(25.2ポイント差)だった。家庭学習が「うまくいっている」母親は、「わが子がやる気になること」、「ほめること」などに特に留意し、子どもの気持ちを大切にしている様子がわかる。

 共働きの母親が子どもと過ごす時間は、平均で約98.7分。家庭学習が「うまくいっている」層(98.1分)も、「いっていない」層(99.9分)と、ほぼ同じだ。次に、生活シーンの13項目をあげて、該当するものを選択(複数回答)してもらったところ、家庭学習の取り組みが「うまくいっている」層は、「うまくいっていない」層よりも子どもと過ごす生活シーンが多く、12項目において上回っている。もっともポイント数の差が大きかったのは、「向き合って、会話をする」で、「トランプやカルタ、ボードゲームなどをする」「塾や習い事の送り迎えをする」が続いている。

 以上の結果から、家庭学習が「うまくいっている」と感じている母親は、会話や遊び、勉強といった日常の基本的な生活の場面を、子どもと共に過ごしていることがわかる。

 このことから、子どもと“一緒に”何かをする機会が多いことが、家庭学習によい影響を与える可能性がありそうである。また、家庭学習が「うまくいっている」、「いっていない」は母親の主観のため、学習に限らず生活全般で子どもとの関わりがスムーズであることが、家庭学習においても「うまくいっている」と感じる理由とも考えられるだろう。(編集担当:久保田雄城)