馳浩文部科学大臣は7日の経済財政諮問会議で臨時議員として出席し、教員配置効果について東京都、山口県、長崎県などの事例をあげ、少人数学級の教育効果をしめし、教職員定数の削減が教育効果の低下につながるリスクを示した。
山口県では国の加配定数を活用し独自の少人数学級を実施している結果、学級の安定化、学習習慣等の定着、学力向上の効果がでていた。学級の安定化では小学校での不登校児童出現率は、平成20年度当時は全国(0.32%)に比べ0.06ポイント高い0.38%だった。これが23年度では全国(0.33%)より0.9ポイント低い0.24%になった。
全国学力・学習状況調査の平均正答率を小学6年児童でみると、21年度は国語A、B、算数A、Bともに全国平均を下回っていたが、26年度は全てで全国平均を上回った。
学校現場の声として「同学年の担任が1人増えることで、子どもたちを多角的に見たり、指導の在り方について相談したりするなど学年部としての指導の充実を図ることができた」「家庭訪問や個人懇談、進学時の質問などにきめこまやかな対応がとれるようになり、保護者からの信頼を受けることにつながっている」ことが紹介された。
そのうえで、平成27年度全国学力・学習状況調査から(1)不利な家庭環境に置かれた児童生徒が数多く在籍する学校においては学級規模が小さいほど正答率が高くなる傾向があること(2)学級規模が小さいほど、学習規律・授業態度が良いこと(3)学級規模が小さいほど、授業内容の理解が高まることなどが裏付けられてきたことを示した。(編集担当:森高龍二)