28日の日経平均は6営業日ぶりに反発。25日のNY市場はクリスマスで休場。28日朝方の為替レートは、ドル円は120円台前半、ユーロ円は131円台後半で、円高なお続く。25日の大阪取引所の日経平均先物夜間取引の終値は18750円だった。
この日は「官庁御用納め」で政府発表の経済指標は今年ラスト。取引開始前に発表された11月の鉱工業生産指数速報値は前月比-1.0%の97.8で3ヵ月ぶりのマイナス。市場予測の-0.5%より悪かった。基調判断は「一進一退で推移している」で据え置き。12月予想は+0.9%。11月の商業動態統計の小売業販売額は前年同期比-1.0%で10月の+1.8%から大きく落ち込んだ。百貨店、スーパーはマイナス、コンビニはプラス。生産指標も消費指標もさえなかった。
テレビ東京・日経新聞の世論調査で、安倍内閣の支持率は48%。軽減税率の適用範囲を「評価する」は56%、「評価しない」は32%。今年の取引は大納会まであと3日。「掉尾の一振」という言葉も食傷気味な中、前週まで5日続落の日経平均は69円高の18838円と反発して始まる。TOPIXもプラスでスタート。12月決算銘柄の配当権利落ち分は推定約26円。経済指標の悪さが影響したのか序盤のピークは午前9時2分の18874円で、9時26分には18776円と瞬間マイナスにタッチし「構造的な問題」の存在をうかがわせる。18日の日銀の「プチ緩和」が「お花1本だけ」で変な条件もついていたので、昨年10月の気前のいい「花束どっさり」の贈り物と比べられ、これが女子ならプンプン怒って破局寸前の危機、なのだろうか?
10時前に18840円付近まで戻すが、10時台は崩れプラス圏ながらアップダウンが大きい前場。週間騰落4週続落の日経平均と対照的に上海総合指数は前週まで2週連続のプラス。この日もプラスで始まるが、20分もしないうちにマイナスに沈む。それに連動して日経平均も再度のマイナスタッチを演じ10時50分に18764円の安値更新。11時台は18800円台に戻り、上海のほうはプラスとマイナスを行ったり来たり。前引けは39円高の18808円でTOPIXもプラスだった。
上海市場は前日終値をはさんでもみあうが小幅マイナスで午前中の取引を終了。後場の日経平均は前引けより20円高く始まる。1時間ほどは18810~18850円のレンジの小動きが続いたが、今年最低の薄商いの中、売り物をようやくさばいたか午後1時台後半から先物主導で上昇開始。高値を更新しながら2時までに18900円を突破し、2時4分に153円高、18922円の高値をつけた。29日付でTOPIX構成銘柄に採用される郵政3社には先回り買いが入る。
ところが、19000円チャレンジに冷たい水をぶっかけたのが上海市場で、2時にマイナス圏で再開し、さらに下落して安値を更新し続ける。下げ方が激しいので影響は免れず、日経平均も18880円付近まで下げる。2015年は前半はギリシャに、後半は中国に最後まで振り回され続ける。しばらくは上昇の勢いを止められただけですんだが、上海の落ち込みが止まらないのでドンと18850円台まで下げる。それでも「中日連動」を打ち破る勢力が現れて下げ止まり、18880円台に戻る。11月の自動車生産は前年比6%増で17ヵ月ぶりの増加になり、これは朗報。「フォルクスワーゲンの代わりに日本車」という需要もあるのか? 終盤、上海の下げ幅は2%を超えたが、日経平均は18880円付近で小動きしながらそのまま終了し、104円高の18873円で6営業日ぶりにトンネルを抜けた。TOPIXは3営業日ぶりの反発。上海総合指数は終盤大きく下げて2.59%安の安値引けだった。
日経平均終値は104.29円高の18873.35円、TOPIX終値は+13.03の1529.22。売買高は15億株、売買代金は1兆5433億円で、ともに今年の最低記録を更新した。クリスマス連休明けの欧米市場、そして原油先物市場を見なければうかつに動けないらしい。値上がり銘柄数は1570、値下がり銘柄数は327。30業種が値上がりし、その上位はパルプ・紙、海運、電気・ガス、鉄鋼、非鉄金属、倉庫など。値下がりした業種はゴム製品、食料品、小売の3業種だった。
29日の日経平均は大幅続伸したが19000円にはタッチできず。クリスマス連休明けの28日のNYダウは23ドルの小幅安。NASDAQもS&P500も小幅のマイナスだった。相変わらずダウは上がるも下がるも原油先物価格次第で、1バレル36ドル台後半へ後退するとエクソンモービルやシェブロンが自動的に下落して足を引っ張った。上海の大幅安やヨーロッパ市場の軟調も重しだったが終盤は若干、持ち直した。年末商戦で有料会員が300万人以上増加したアマゾン、フォースを感じるのじゃと地球的規模で観客が映画館に押し寄せ「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の興行収入が10億ドル突破のディズニーは、ともに株価を上げた。金先物価格は下落。為替のドル円は120円台前半、ユーロ円は132円近辺でドル安円高の傾向は変わらず、CME先物清算値は18860円だった。
日経平均は29円安の18843円と小安く始まる。TOPIXもマイナス。ドルがFOMCの利上げをさんざん織り込んでしまったので為替が追い風にならない。序盤はプラスに浮上できないまま日経平均もTOPIXも下げ幅をやや拡大する。18800円を割って9時21分に18783円の安値をつけた後は、18800~18840円の狭いレンジで推移する。それでも10時台は上放れし、10時13分にプラスにタッチして18875円の高値をつけるが一時的で、マイナス圏の18850円付近でもみあう。TOPIXも高値を取るが、こちらは前日終値付近で小動きしてプラスとマイナスが忙しく明滅。前日大幅安の上海市場は乱高下の立ち上がりだったがプラスに落ち着く。その様子を見ていた日経平均は再びプラスにタッチし、今度は定着し高値を取りながら上昇。TOPIXも上放れした。11時7分に18889円まで上がるが、上海市場が急落してマイナスに落ち込むと日経平均も一時マイナスになってしまい、「中日連動」のシャル・ウィ・ダンス。前日終値をはさんでもみあった末、最後の15秒でマイナスに落ちて前引けは0.08円安の18873円。TOPIXはプラスだった。
乱高下の上海市場はプラスに戻し午前の取引を終了。後場の日経平均は高値を取ってプラスで再開し、18900円台にもタッチ。しかし前日以上に売買が薄い。18900円前後のもみあいから上放れしたのは0時50分頃で、1時1分に18940円まで上昇する。19000円乗せが見えてくるが、1時台は階段を昇るように26分に18985円、48分に18991円と高値を刻む。しかし、上海市場が午後の取引をプラスで再開してもあえなくマイナスに落ちると、日経平均は再び仲良くダンスのお相手をしてあと9円にまで迫っていた19000円が遠ざかり、18950円台に退く。2時台後半には上海も下げ止まり、一時プラスまで戻る気まぐれぶり。付き合いきれない? 日経平均は上値追いのエネルギーも電池切れ気味で上昇しても19000円に迫れなくなった。上海がまたプラスになり、大引け時点でTOPIX構成銘柄のリバランス売買が発生したが、11月上場の郵政3社は買われるどころか全部安値引け。土壇場で投資信託などリバランス買い勢力に高値で買わせてホクホク、という目論見は完全に裏目。「策士、策におぼれる」とはこのこと。マーケットはキツネとタヌキの化かしあい。日経平均は最後に上昇しても19000円は超えられず、終値は108円高の18982円だった。TOPIXは日経平均を超える上昇率で終了。上海総合指数は終盤シレッと上昇し0.84%のプラスで終えた。東京市場はこんな悪女とダンスした。