昨年11月の税収、消費税が大幅伸長し8.4%増

2016年01月16日 13:04

 財務省は5日に、2015年11月の税収を発表した。それによれば、一般会計は前年同月比8.4%増の7兆4944億円であり、大幅に増加したことがわかった。大幅な増加の背景には、14年4月に5%から8%に引き上げられた消費税で、14年11月にはまだ税率5%に基づいた企業の納税が含まれていたが、15年11月には完全に8%に切り替わったことが挙げられる。結果、消費税の税収は同40.7%増と大幅に伸長した。そのほか、企業が賃金や配当を増やしたことで所得税の税収も伸長した。

 内訳を見てみると、消費税の税収は同40.7%増の2兆555億円という結果で、消費税は14年4月に5%から8%に引き上げられたが、同年11月の段階では税率5%に基づいた企業からの納税が含まれていた。しかし15年11月には8%での納税に完全に切り替わっていたことから、大幅に増加することとなった。所得税の税収は、企業が賃金や株式配当を増やしたことが影響して、同4.4%増の1兆2996億円であった。法人税の税収は同2.5%減の3兆2906億円と減少。3月期決算の企業は11月に中間納付を行うが、主要企業が決算期を3月から他の月に変更したことが影響して、税収が減少することとなった。そのほか、相続税の税収は同11.1%増の1536億円という結果であり、酒税の税収が同0.7%減の1075億円であった。そしてたばこ税の税収は同2.8%減の843億円であり、関税の税収は同2.4%減の904億円であった。

 そして4~11月の一般会計の累計は同11%増の27兆7943億円で、消費税の税収は同37%増の8兆1140億円。所得税の税収は同10.7%増の9兆9598億円。法人税の税収は同8.5%減の4兆2515億円であった。相続税の税収は同7.2%減の8383億円。酒税の税収は同1.3%増の7017億円。たばこ税の税収は4.9%増の5667億円であり、昨今の禁煙ブームの流れを受けて喫煙者の数は減少しているものの、4~11月の累計では増加となっている。関税の税収は同0.5%増の6169億円であった。

 なお、15年度通年の税収については56兆4240億円を見込んでいる。(編集担当:滝川幸平)