出かけるときはポケットやバッグにクレジットカード1枚を入れるだけ。そんな財布・キャッシュレスの時代がやってきつつある。
中堅コンビニエンスストア、スリーエフ<7544>は2016年4月1日から全店でクレジットカード決済の取り扱いを開始する。同社は15年11月よりクレジットカード決済の取り扱いを順次開始してきたが、今年に入ってようやく全店での取り扱いとなるようだ。
利用可能なクレジットカートは「VISA」、「Master Card」、「JCB」、「アメリカン・エキスプレス」、「ダイナースクラブ」、トヨタファイナンスの「TS CUBIC CARD」や「ディスカバー」など。さらには「Suica」やNTTドコモ<9437>の「iD」、楽天<4755>の「楽天Edy」などの電子マネーでの支払いはもちろんのこと、チャージも可能になる。
クレジットカード決済をするコンビニエンスストアが増えることで、完全キャッシュレス化が進み、将来は財布を持ち歩く人の割合も減少していく可能性がある。
現在、クレジットカード利用可能なコンビニエンスストアには大手セブンイレブンやローソン<2652>、ファミリーマート<8028>、サークルKサンクス、ミニストップ<9946>などがある。交通系電子マネーである「Suica」や「PASMO」の利用ならさらに多くのコンビニで取り扱っていることが多い。
普段利用する店舗や地域にもよるが、いずれはクレジットカードか電子マネーのどちらかを利用して、一度も現金を使わずに買い物ができる日が来ることも近いだろう。
確かに現金を持たなくても済むのは便利である。ATMで預金をおろす手間も省け、高額の買い物をする場合には多額の現金を持ち歩かなくて済むので、防犯にもなる。特に海外渡航を頻繁にする人なら、クレジットカードは必携アイテムのはずだ。
しかし、クレジットカード社会と言われている北米圏や欧州では最近、銀行口座から直接利用金額が引き落とされるデビットカードが多く利用されるようになっているという。やはり経済危機の影響で「口座から引き落とされるまでは短期間にせよ、その間は借金である」との意識が強まったからだろう。利用後、すぐに引き落とされることで、お金の流れが可視化されやすいということも普及の要因にある。
キャッシュレス社会の到来は、同時に未成年時からお金の流れ・管理などの総合的な金融知識が必須になる時代の到来でもある。「賢く使う」ことが我々に求められている。(編集担当:久保田雄城)