家事・育児と仕事の両立は、難しい。特に、男性中心の長時間労働がよしとされる会社組織では、「ワークライフバランス」の実現は困難だろう。そんな現実を目の当たりにしているためか、最近では若い女性の間で「専業主婦志向」が高まっているともいわれる。フリーキャリア総合研究所が今年7月、出産未経験の女性900名(独身女性:636名、既婚女性:264名)に対し、「出産後、どのような働き方をしたいですか?」と質問したところ、独身女性は「フルタイム」を希望している人が最も多く34.3%だった一方、結婚後の女性で「フルタイム」と答えたのは20.8%と約14ポイント低かった。一方、「出産後は働きたくない」と答えた女性は、独身では19%だったが、既婚女性では26.5%と最多を占めている。結婚前は「出産後の働き方は想像できない」という理由で「フルタイム」を選択する女性が多いが、結婚して出産のイメージが膨らむと、「働くのは難しそう」と考える女性が多いのだろう。
同調査では「既婚女性」のサンプルが独身女性と比べて圧倒的に少ないのが気になるが、結婚した女性で「出産後は働きたくない」と答える割合が圧倒的に高くなる理由は、結婚で経済的安定が得られ、「夫の収入でしばらくは暮らせるだろう」との思いが芽生えるからかもしれない。
ただ、「出産後の働き方に備えて取り組んでいることはありますか?」との質問には、独身・既婚にかかわらず約3割の人が「ある」と回答している。出産未経験でも、独身でも既婚でも、子どもが産まれた後のことを考えて「備え」を行なっている女性が10人中3人いるのだ。
「どのような取り組みをしているのか」聞いたところ、1位は独身・既婚グループともに「働きやすい会社への転職活動」、次いで「資格取得の勉強」となった。一方、自由回答の中には「出産した友人の話を聞いていると大変そうなので不安」「社会環境が整えば高齢化対策にもなると思う」という声も目立つ。将来、子どもをもちたいと願う女性ができるだけ「不安」を抱えずにすむよう、社会の意識面・制度面での改革が求められる。(編集担当:北条かや)