安倍晋三総理は26日の衆院本会議で民主党岡田克也代表の質問に答え、大学の授業料減免、奨学金について「子どもたちの未来が家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはならない」と基本的考えを述べた。
そのうえで「来年度予算では大学などの無利子奨学金を1万4000人増員した。授業料の減免を5000人増員するとともに、卒業後の所得に応じて返還額が変わる所得連動返還型奨学金制度の導入に向けて準備を進めている」とした。
安倍総理は「今後とも、学生の経済的負担を軽減し、希望すれば誰もが大学などに進学できる環境を整えていきたい」と答えた。
一方で「給付型奨学金については、財源の確保や対象者の選定など、導入にはさらに検討が必要だ」と制度設計に時間を要する課題との認識を示した。
岡田代表が「年収400万円以下の世帯の若者の大学進学率は3割に過ぎない。すべての若者が夢と希望を持って学ぶことのできる日本でなければならないと思う。授業料減免や奨学金の拡充、返済不要の給付型奨学金の創設が必要だ」と質したのに答えた。経済的な苦学生の中には仕送りが少なく、短期で稼げるからと風俗産業で働くケースも出ているということから、文部科学省や厚生労働省には調査による実態把握の必要もある。(編集担当:森高龍二)