多くの企業がなんらかの制度を設けていることから、「あって当たり前」「横並び」と言われることも多い、退職金・企業年金。実際にいつか受け取ることになる会社員は、退職金・企業年金にどのようなことを望んでいるのだろうか。
IICパートナーズは、会社員 を対象に「退職金・企業年金の現状に関する調査」を、全国の会社員100名を対象に実施した。
多くの企業がなんらかの制度を設けていることから、「あって当たり前」「横並び」と言われることも多い、退職金・企業年金。実際にいつか受け取ることになる会社員は、退職金・企業年金にどのようなことを望んでいるのだろうか。
半数近くが選んだ1位は「老後安心して暮らせるための収入源となること」。社会福祉や公的年金に対する不安が強まるなか、相対的に退職金や企業年金への期待は高まっているようだ。
2位は「退職時の支給額が定期的に分かり、それによって人生設計を考えられること」。以下、「勤続期間に応じて、充分な額が支給されること」、「会社への貢献度に応じて、充分な額が支給されること」、そして「特に望むことはない」が続く結果となった。
様々な社会制度への不安が高まる現代、定年退職時の退職金や企業年金に大きく期待をかけている人は多く、また増える傾向にあるのではないだろうか。また退職金や企業年金を、会社がどれだけ個人に目を配り正しい評価をしているかの現れと見る向きもあるようだ。
総じて誠実さや信用を大きく望む声が強いことを考えると、企業側が定期的に退職金や企業年金についての情報を提示して、社員が老後に不安を抱かずに働き続けられる環境作りに取り組むことの重要だろう。
老後の生活の収入源として期待する声が多いなか、会社員は、実際に受け取れる額に関してどれくらい把握できているのでしょうか。
もっとも多く、3分の1を占めたのは「知らない」という回答だ。そもそも情報が乏しいことや、「安易に聞いて悪い印象を持たれないだろうか」という不安が原因のようだ。以下は「あまり知らない」、「だいたい知っている」、「知っている」という順に並び、「知っている」という回答はわずか1割という結果となった。
多くの人にとっては、老後の生活に関する不安を抱きながら働いているものの、定年退職時の退職金や企業年金に関する情報や知識が乏しいというのが現状のようである。
しかしながら、早期から老後生活の設計をしておきたいと考え、そのために定年退職時の支給額についての情報や計算方式を知っておきたいと希望している人は少なくない。
「知っている」という回答のなかにあったように、企業側がいつでも退職金などの計算ができるように就業規則に載せており、従業員が目安となる金額を把握できている場合も一部ではあるようだ。
まだそうした対応が進んでいない企業は、従業員が早期から老後について計画し、定年まで安心して働けるように、定期的に制度の説明や金額の提示を行うなど、退職金や企業年金についての情報を、社内でもっと浸透させるためにできる点がないかどうか、検討してみるべきではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)