ジーエフケー ・ライフスタイルトラッキング・ジャパンは、全国のGMS、ホームセンターおよび家電量販店における電動アシスト自転車の販売動向を発表した。
それによると2015年の販売台数は前年比2%減となったが、平均価格の上昇により販売金額では同1%増という結果になっている。また単価の高いチャイルドシート設定車が台数ベースで27%を占めるまでに拡大し、金額市場を下支えしたとこがわかった。
2015年の電動アシスト自転車販売は、台数ベースでは前年比2%減となった。四半期毎に前年比を見ると、第1四半期、第2四半期は、消費増税の特需とその反動減があった時期との対比になるため増減が大きかった。
ただ第3四半期以降は前年並みで推移した。また、税抜き平均価格は9万円を上回って推移し、年間では前年から3%上昇し94,800円となった。この結果、金額前年比は1%増となった。加えて2015年は、最大商戦期である3月に販売が集中する傾向が強まった。消費増税の特殊要因がなかった2013年との比較で、年間販売台数における3月の割合は3%上昇し15%となっている。
店頭販売時点でチャイルドシートが設置されているチャイルドシート設定車の販売台数構成比は、2013年では17%であったが、2014年は24%、2015年は27%と上昇基調にある。チャイルドシート設定車は付属品が多いということに加えて、ターゲットが若い母親であるためデザイン性など外見に凝った商品が多いこともあり、非設定車に比べ3万円以上単価が高い。
チャイルドシート設定車の構成比拡大が市場全体の平均価格を押し上げている。なお、チャイルドシート設定車の税抜き平均価格は2015年では118,700円であった。
拡大が続くチャイルドシート設定車の販売台数構成比だが、将来的には頭打ちすることもまた避けられない。それゆえメーカー各社は「子乗せ」以外の新たな需要の開拓にも注力している。その1つが高校生に多い比較的長距離の通学需要である。電動アシスト機能により長距離でも疲れず、かつ、バス代などの交通費が軽減できるというメリットを訴求することで、若いうちから電動アシスト自転車に慣れ親しんでもらい、継続利用を促そうという戦略だ。
もう1つが自動車運転を終えようとしているシニア向けの需要である。これは贈与需要という点でも期待がもたれている。成熟化を迎えた当該市場の成長は、こうした新たな需要基盤を確立できるかにかかっている。
ともあれ、他の業界と同じように電動アシスト自転車業界も、少子高齢化を見据えたマーケティングが必要とされているわけである。(編集担当:久保田雄城)