JR北海道が、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション、バニラ・エアとタイアップして「ひがし北海道フリーパス」を1月18日から販売している。夏に続いての取り組みで、該当LCCの搭乗券を新千歳空港駅の窓口で見せるだけで購入できる。JR北海道は「悠久の自然美がひろがる〝ひがし北・海・道〟をフリーパスでお楽しみください」としている。料金は1万5500円で、販売は3月31日まで。
JRの言葉にある「ひがし北・海・道」とは、観光庁から認定を受けた道東の広域観光周遊ルート形成計画のこと。旭川や帯広から東のエリアの大自然やイベントを多くの人に紹介し、観光客を誘致する活動が行われている。
またこの夏には富良野・美瑛エリアへ観光列車や周遊バスを運行するキャンペーン「JRで行く富良野・美瑛2015」を展開。「夏の道東周遊紀行」として阿寒湖や釧路湿原を巡るのに最適な列車やJR利用者専用バスを運行したりもしていた。
きっぷのフリーエリアは西が小樽、南が新千歳空港、東が根室、北が網走まで。観光地として名高い旭川や帯広、富良野や知床斜里までもがエリア内で、5日間、特急・急行・普通列車の自由席が乗り放題となる。
指定席は別途料金を支払えば利用可能。例えば札幌で雪まつり、小樽で雪あかりの路を「ハシゴ」した後、旭川で旭山動物園に行き、最後は網走で流氷ノロッコ号に乗って流氷ツアー…、ということも物理的には可能だ。
レンタカーが使いやすい夏と違い、北海道の冬は公共交通機関に頼った方が安心だ。しかしその広大さゆえに交通費も高くつきがちなのが悩みどころ。このフリーきっぷ上手く使えば行きの飛行機代に加え、道内の移動費も節約することができる。
1月現在、ピーチの千歳便は成田空港と関西国際空港から、バニラ・エアは成田便だけだ。羽田からは路線がないので注意したい。また、慣れない人は北海道のスケールを見誤ってしまう可能性がある。
札幌-釧路間は348キロ。横浜-名古屋間(345キロ)を超える距離を特急「スーパーおおぞら」を始めとする在来線に頼っている。学校で使っていた地図帳が北海道だけ日本のほかの地域と縮尺が違うことを考えれば、納得がいくだろう。距離は長いが列車の本数は首都圏より圧倒的に少ないので。くれぐれも時刻表のチェックは忘れずに。
3月に控えている新幹線開業で盛り上がる道南地域に負けじと道東もその魅力を伝えようと頑張っている。成田か関空に行くことが苦でなければ、是非検討してみてはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)