日本で生産を開始した新型「CX-9」、ボディサイズは全長×全幅×全高5065×1969×1716mm、ホイールベース2925mmと大きい。これは従来車よりも30mm短く、ホイールベースは60mm長い。ここに3列シートが収まる
マツダが本社宇品第1工場(広島市南区)で、3列シート仕様の新型ミッドサイズクロスオーバーSUV「マツダCX-9」の生産を開始した。
生産をスタートさせた新型「CX-9」は、アメリカ、カナダなど北米市場向け左ハンドルモデル。新型「CX-9」の年間グローバルの販売計画台数は約5万台。そのうちの約8割が北米市場で販売する予定。北米マーケットに向けた戦略モデルとして、2016年春より順次販売を開始する予定だという。
マツダの新世代技術「SKYACTIV Technology」とデザインテーマ「魂動(こどう)/Soul of Motion」を全面的に採用した新世代商品のハイエンドモデルであるCX-9は、ジャパンメイドの高品質なクルマづくりを通じて、機能やスペックを超えた上質な心地よさを提案する。
同本社工場では、CX-9の生産開始にあわせて、新開発の2.5リッター4気筒直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」の生産も開始している。
新型CX-9は、北米市場においてMPVの実質的な後継車種となる3列シート7人乗りの大型SUVという立ち位置で臨む。ミニバンの需要が縮小傾向にある北米市場では、従来のミニバンに代えて3列シートSUVを投入するメーカーが増えている。マツダもこのセグメントに参加するわけだ。
ボディサイズは全長×全幅×全高5065×1969×1716mm、ホイールベース2925mm。これは従来車よりも30mm短く、ホイールベースは60mm長い。ホイールベースの延長によって、乗員のニースペースは拡大し、乗降性も向上した。
また、AWDモデルで約130kg、2WD(FF)モデルで約90kgの重量削減に成功しているのも特徴といえる。
ダウンサイズした2488cc直列4気筒直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」は、ボア×ストロークが89.0×100.0mmの超ロングストローク型で、10.5の高圧縮比から最高出力227HP(169kW)/5000rpm、最大トルク420Nm/2000rpmを発揮する。低回転域のきわめて太いトルクが自慢のエンジンと言えそうだ。
また、静粛性のアップにも配慮し、ウインドウの厚さを4.8mmに増すなどによって、室内への騒音侵入を12%削減した。今回、ディーゼルエンジンの搭載には触れていないが、ガラス厚のアップは、クリーンディーゼル搭載を睨んだものではなかろうか?
マツダは、今回の生産開始のリリースで、北米での販売価格に触れていないし、日本での販売についてもまったく触れていない。が、3列シートミニバンのMPVが消滅した後、「今年の秋あたりに日本仕様を発表する」のではないか、という観測が業界では多い。(編集担当:吉田恒)