14年の国内市販カー用品市場規模は前年比2.3%減の1兆1,263億円

2016年02月16日 07:55

 矢野経済研究所では、国内の市販カー用品市場の調査を実施した。調査期間は2015年10月~12月、調査対象はカー用品関連企業(メーカー、輸入商社、卸売業者、小売業者)および関連団体等。調査方法は、同社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、関連企業へのアンケート調査ならびに文献調査を併用した。

 それによると、2014年の国内の市販カー用品市場規模はメーカー国内出荷金額ベースで前年比97.7%の1兆1,263 億円であった。若年層の自動車離れが指摘されるなか、市販カー用品市場はカー用品に対するユーザーの支出抑制などもあり、依然として市場は縮小傾向にあるという。こうした環境下に加えて、2014 年は消費税増税前の駆け込み需要に対する需要減少があった。

 製品分野別で見ると、スタッドレスタイヤが需要を牽引した乗用車タイヤ、交換用タイヤと連動するアルミホイール、ドライブレコーダーが売上を伸ばした機能用品は前年比プラスとなったが、それ以外は前年比マイナスであった。

 その中でも特にオーディオ・カーナビ関連は、新車購入時の純正カーナビの装着率向上で落ち込みが激しかった上、高性能ナビゲーションアプリの出現によりスマートフォンやタブレットを利用したナビゲーションの利便性がより高くなり、PND(Personal Navigation Device)が落ち込んだことで縮小したとしている。

 車内アクセサリー、ドレスアップ用品、チューンナップ用品は、主な購入層である若年層の自動車離れのなか需要は下落した。オイル・ケミカル用品や消耗品は、自動車の使用や保有年数によって必然的に需要が発生するが、ユーザーの節約志向の高まりや、自動車の年間走行距離の減少や車両の小型化志向により、使用量自体が減少傾向にある。

 国内の市販カー用品市場は縮小傾向にあるものの、ドライブレコーダーは好調で、2014年の市場規模はメーカー国内出荷金額ベースで前年比120.0%の90億円であった。ドライブレコーダーは自動車の走行中の映像を記録する装置であるが、近年では車線逸脱警報機能や前方衝突警報機能など、多機能化が進んでいる。また、カーナビやバックカメラと連動させることで録画範囲の拡張が可能であり、さらにはカーセキュリティ用品と連動させて防犯カメラのような使用方法も可能であることから、カー用品店などはこれらの製品と組み合わせた販売に注力しているとしている。

 2015年の国内の市販カー用品市場規模は、メーカー国内出荷金額ベースで前年比99.2%の1兆1,173億円を見込んでいる。ドライブレコーダーのほか、2014 年頃から本格的な市場投入が始まった交換用LED バルブなどの一部品目では拡大傾向が見受けられるものの、新車販売台数の落ち込みによって、オーディオ・カーナビ関連分野や車内アクセサリー分野が前年比で減少すると見られるなど、市販カー用品市場全体では縮小傾向にあると考えるとしている。

 2016年は2017 年4月に予定されている消費税再増税前の駆け込み需要が期待され、同年の市場規模は前年比 100.3%の1兆1,202億円と増加するものの、市販カー用品市場は依然として厳しい状況が続くと予測している。(編集担当:慶尾六郎)