訪日外国人旅行客の増加にともない、ホテルの宿泊料が値上がりしていることや、人手不足の影響により土木工事関連の費用が値上がりしていることなどから、企業向けのサービス価格が2年7ヶ月連続で上昇した。24日、日本銀行が発表した1月の企業向けのサービス価格指数(2010年平均=100)速報値は102.5であり、前年同月から0.2%上昇した。ただし、上昇幅は15年12月の0.4%から縮小し、2ヶ月ぶりの低い水準となった。
企業向けのサービス価格指数は、運輸、通信、広告などの企業間で取引されるサービスの価格水準を示したもので、調査対象の147品目のうち、61品目が上昇し51品目が低下した。横ばいは35品目であった。
内訳を見てみると、訪日外国人旅行客の増加にともない、ホテルの宿泊料が値上がりしていることから「宿泊サービス」が前年同月比9.3%上昇の119.0であった。上昇はこれで47ヶ月連続のこと。ただし、前年同月を上回ったものの、15年12月の9.5%から上昇幅は縮小した。中国経済の減速や株式相場の下落などを背景に、ホテルの予約に落ち着きがみられ始めているという。
人手不足の影響により、土木工事の設計や測量などの「土木建築サービス」は同3.8%上昇の116.5であった。その一方で、原油価格が下落している影響で船舶による「外航貨物輸送」が同19.8%低下の89.9、「国際航空貨物輸送」も同13.5%低下して104.2であった。そして年始の連休が短かったことが影響して、「国内航空旅客輸送」は前月の横ばいから低下に転じて、1.1%低下の115.2であった。「リース・レンタル」は同1.6%の96.6であり、15年12月の0.4%低下からさらに低下幅が拡大した。
日本銀行は今回の結果について、企業が人手不足を背景とする人件費の値上がりを、企業向のサービス価格に転嫁する動きが続いているとし、こうした傾向が今後いつまで続くのか、そしてこのところの原油安や円高株安がサービス価格の設定にどう影響するのかなどを、注視していく必要があるとしている。(編集担当:滝川幸平)