駅ロッカーで宅配便の受け取り。複数業者で共同利用も

2016年02月29日 08:34

 日本郵便は、通販商品受け取り用に郵便局内に設置している宅配ロッカー「はこぽす」の活用を拡大することを発表した。通販商品以外の利用も可能にするとともに他社宅配便の荷物の受け取りも可能とする「オープン化」を検討し、郵便局以外への設置拡大も行う。

 「はこぽす」は2015年4月から都内22カ所の郵便局に置かれている。新しく加えるサービスは、宅配時に不在だった「ゆうパック」の受け取り、オークション等で落札した商品の受け取りなど。4月から「モバオク」で落札した商品を受け取ることができるようにする。同社では「郵便物やゆうパック以外の荷物の受け取りにも『はこぽす』を利用できるように検討を行っていく」としている。

 設置場所も拡大し、郵便局以外にも利用者に便利な駅、商業施設やコンビニエンスストアなどに進出する方針。第一弾は実証実験として3月中に京王井の頭線の6カ所に設置する。

 駅やコンビニなど公共的なスポットで宅配便を受け取ってもらおうという動きは郵便局以外にもある。ヤマト運輸は、フランスで宅配ロッカー事業に実績のあるネオポスト(本社パリ)は、宅配便を受け取る利用者の利便性向上と、社会的な課題である再配達の軽減の実現に向け、日本においてオープン型宅配ロッカーインフラを構築・運用するための合弁会社の設立に向けて1月に基本合意した。

 ヤマトによると、共働き世帯の増加やライフスタイルの変化などにより、宅配便のうち約2割が再配達の対象になり(国土交通省調べ)、ドライバー不足や環境問題の観点からも解決する必要に迫られているという。コンビニを活用した受け取り場所の拡大などを実施してきたが、一方で、社会的な課題と考え「業界が一体となって解決する必要がある。その一つとしてオープン型宅配ロッカーを活用した、新たな生活インフラの構築を検討した」とし、日本国内で宅配各社が利用出来る「オープン型」の新たな宅配ソリューションの提供を実現して行くとしている。宅配ロッカーの設置場所については、駅などを想定している。

 利用者の利便性なのか、宅配事業の効率化なのか、どちらが先かは“にわとりと卵”だが、郊外や地方都市でも実証実験を進め、お互いにメリットを感じられるようになればよい。(編集担当:城西泰)