男性の育児休業取得者数、最も多い企業は?取得者ゼロが依然大半

2016年03月01日 08:22

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最も育児休業取得者が多かったのは、ソニーの569人。2位はマツダの327人で、同社は08年から男女問わず5労働日の育児休暇を導入している。3位はパナソニックの304人、4位の日本生命保険は「男性職員の育児休業100%取得」を実現し、264人。

 子育てする男性の略称である「イクメン」という言葉が流行したが、男性の育児休業の取得が依然難しい状況にある。

 上場企業を中心とする有力・先進1325社におけるCSRの取り組みをデータベース化した「CSR企業総覧(2016年版)」によると、男性の育児休暇取得数の回答があったのは815社。このうち、取得者が1人の会社は106社、2から9人が158社、10人以上は84社であった。男女合計47,546人のうち、男性の取得者は12.1%の5,750人だ。

 そして、57.3%の467社は取得者がいない。同総覧に掲載されている有力・先進企業でさえ、男性の育児休業取得に消極的なようだ。育児休業を取得したケースも、妻の出産後に数日から1週間以内の短期休業が多いという。

 最も育児休業取得者が多かったのは、ソニー<6758>の569人。2位はマツダ<7261>の327人で、同社は08年から男女問わず5労働日の育児休暇を導入している。3位はパナソニック<6752>の304人、4位の日本生命保険は264人で「男性職員の育児休業100%取得」を2年連続で達成した。

 厚生労働省の「度雇用均等基本調査(14年度)」によると、12年10月1日から13年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、14年10月までに育児休業を開始した者(育児休業の申し出をしてる者を含む)の割合は2.30%であった。前回調査より0.27ポイント上昇している。有期契約労働者の育児取得率は前回調査から1.35ポイント増え、2.13%となった。緩やかながらも増加傾向にある。

 一方、在職中に出産した女性のうち、育児休業を開始した者(育児休業の申し出をしてる者を含む)の割合は86.6%、有機労働者の育児休業取得率は75.5%と、男女の取得率の差は歴然だ。

 共働きが当たり前となりつつあるが、育児は女性がするものという風潮が根強い。夫婦が納得した上で妻だけが育児休業を取っているのであればいいが、休みたいのに休めない状況だとしたら問題である。共働きである以上、家計・家事・育児の全てを夫婦で支え合うという選択肢があって当然で、社会の理解と支援が不可欠ではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)