Googleは現在、自然言語を使いこなすAIを開発中だ。彼らはまず、シェイクスピアやマーク・トウェインといった有名作家の著作から短い文章を抽出し、そこから、個々の作家の文体をAIに覚えさせることによって、これを実現させようとしているのだ。
Googleが開発中のAI(人工知能)によって、死後の世界から話しかけてくる有名作家と、チャットで会話できる時代がくるかもしれない。
Googleは現在、自然言語を使いこなすAIを開発中だ。彼らはまず、シェイクスピアやマーク・トウェインといった有名作家の著作から短い文章を抽出し、そこから、個々の作家の文体をAIに覚えさせることによって、これを実現させようとしているのだ。
研究チームが行う実験は、入力された2つの文章が同じ作家のものであるかという問いに対し、「はい」か「いいえ」で答えるというもの。
当初のシステムでは、この実験によるエラー率は17.2%だったという。そこで研究チームは文章だけではなく、作品を比較するための別の要因を与えることによって、作者は誰なのかというヒントを与えた。するとこのエラー率は11.1%まで低下したそうだ。
またGoogleはこの技術を足掛かりに、AIにそれぞれの作家の文体をまねて文章を書かせることも試みている。つまりこのプロジェクトが成功すれば、AIがつくりだしたシェイクスピアとチャットができるという未来がくるかもしれないのだ。
現時点では、この研究はシェイクスピアのような有名作家の文章に限られている。だが、もしかすると将来、故人が残したメールや日記などからの文章をインプットすることによって、たとえ亡くなった後でも、その人とバーチャルな会話を楽しむことができるソフトウェアが開発されるかもしれない。
ただし、当然のことながら現時点でのAI技術は完璧なものではない。
先日、同じくGoogleが開発中の、AIによる自動運転車が初の衝突事故を起こした。排水溝の近くに置いてあった土嚢を避けようと車線を変更したところ、後方から近付いてきたバスに衝突したのだ。幸いにも怪我人はいなかったものの、現実世界においてAIが活躍するにはまだ時間がかかるという証明となってしまった。
このようにまだまだ課題の残るAI技術だが、この技術の適応は金融・ヘルスケアなどの各分野に広がっており、アメリカを始め様々な国の企業が、このAI技術の開発に日々心血を注いでいる。
少子化が進み、労働人口が減る日本でも、人間と同じような働きができるAI技術の開発を推進する必要性があるのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)