【今週の振り返り】平常心を保ちナチュラルに826円上昇した週

2016年03月05日 20:33

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2月15日の1069円高はわざとらしかった。だからその後は16000円前後で停滞した。3月2日の661円高はナチュラルだった。だから4日続伸して17000円に届いた。

 2月29日の日経平均は3営業日ぶりの反落。アメリカの10~12月期GDPが小幅に上昇しても、原油先物価格が一時の34ドル台から終値で32ドル台まで下がると前週末26日のNYダウは57ドル安。NASDAQはプラスだった。CME先物清算値は16320円。上海で開かれていたG20財務相・中央銀行総裁会議は日本時間の27日午後7時すぎ、通貨安競争をやめ、最近の金融市場の混乱に対して全ての政策手段を用いるとする文言を盛り込んだ共同声明を採択し閉幕した。事前の予想通りでサプライズもなければ失望もなし。シリアの停戦が発効し、イランの総選挙はロウハニ政権が支持されて波乱なし。為替レートは一時114円近辺まで1円以上も円安が進んだが、朝方の為替レートはドル円が113円台後半、ユーロ円が124円台前半。

 取引開始前発表の鉱工業生産指数速報値は3.7%で市場予測を上回った。商業動態統計の小売業販売額速報値は-1.0%。日経平均は124円高の16313円でCME清算値にほぼさや寄せして始まる。いったん16300円を割って売り物を処理した後、9時台のうちに16400円を突破して9時29分に16464円まで上昇する。しかし25日移動平均には届かず、その後は山を崩すように徐々に下落して16300円を割り込み、11時ちょうどに16206円まで下げる。中国人民銀行が人民元を5日連続で切り下げる〃G20への裏切り行為〃に出て、上海市場も小幅安で始まり徐々に下げ幅を拡大していく展開。為替のドル円も113円台前半に円高進行。プラス圏を維持しながらも前引けは66円高の16255円だった。

 上海市場の午前の取引が大幅安で終わっても後場は開始直後から16300円台に乗せる。1時40分頃までは16300円前後で動きが止まっていたが、突然、為替の円高を伴った先物主導の下落が始まり、新設住宅着工が+0.2%で2ヵ月ぶりに増加しても、上海市場が午前と変わらぬ水準で再開しても2時台には16200円を割ってマイナスになってしまう。2時32分には16115円まで下げた。ドル円は113円台を維持できず、上海も連れ安して下げ幅を拡大し終盤は安値を更新、更新、また更新。終値は161円安の16026円で安値引け。TOPIXも終盤に1300を割って安値引け。JPX日経平均も安値引け。日経平均先物日中取引も16000円を割り込みこれも安値引けだった。日経平均は今年初の3営業日続伸も、6週連続の月曜の白星もまぼろしに終わった。

 日経平均終値は161.65円安の16026.76円、TOPIX終値は-13.42の1297.85。後場、終盤の大量売りで売買高は24億株、売買代金は2兆5944億円。値上がり銘柄数は545、値下がり銘柄数は1294。プラスは情報・通信と輸送用機器の2業種。マイナスは31業種で、下位は石油・石炭、空運、陸運、電気・ガス、食料品、パルプ・紙など。上海総合指数は2.86%安だった。

 4年に1度、夏季オリンピックの年で29日まであった2月の取引が全て終了。前月末1月29日の終値17518.30円から1491.54円下落した。月間騰落は昨年12月から3ヵ月連続でマイナスになった。

 3月1日の日経平均は反発。ユーロ圏PMIが悪化したもののヨーロッパ市場はドイツは小幅安、他は小幅高。中国人民銀行が追加緩和策として預金準備率を引き下げたのを好感し週明けのNYダウは高く始まり、原油先物価格は33ドル台まで上昇したが製造業、住宅の経済指標が市場予測より悪くてマイナスに転じ、終盤は下げが加速してほぼ安値引けの123ドル安。リスクオフで金先物は上昇。朝方の為替レートはドル円が112円台前半、ユーロ円が122円台後半で円高進行。CME先物清算値は16000円だった。

 取引開始前に発表された労働力調査は、有効求人倍率は1.28倍で前月、市場予測より0.01ポイント良く、失業率は3.2%で前月、市場予測より0.1ポイント良かった。家計調査の二人以上世帯の実質家計支出は-3.1%で市場予測より0.4ポイント悪かった。法人企業統計の金融、保険を除く全産業設備投資額は+8.5%で11四半期連続のプラス。ソフトウェアを除く全産業は横ばい。

 日経平均は13円安の16013円で始まり、すぐプラスに転じたが9時3分の16078円がピークで、そこからマイナスに落ちて16000円の大台も割り、9時台、10時台は一時プラスにタッチしてもほとんどの時間帯がマイナスで推移。中国で2月のPMIが発表され、国家統計局の製造業PMIは49.0で市場予測の49.4より悪く、財新の製造業PMIは48.0で市場予測の48.4より悪く、ともに好・不況の境目の50を割り込んだ。国家統計局の非製造業PMIは52.7に低下。上海市場はマイナスで始まるが序盤は乱高下。日経平均もマイナス100円未満の小幅安水準で16000円をはさんで行ったり来たり。それでも中国PMIの結果を織り込んだ10時59分に15857円まで下落して安値を更新した。ドル円は円高が進行。11時台はプラスに転じた上海市場の後を追って15900円台に戻し、前引けは109円安の15916円だった。

 上海は乱高下したがプラスで午前の取引を終え、後場は押し目買いで下げ幅を圧縮して再開。0時台のうちに16000円を超えプラスに浮上する。為替のドル円が若干円安方向に振れていた。1時に16100円に接近。プラス圏を保ったまま1時49分に16099円の高値を更新するが16100円にはタッチできない。2時台は再開した上海市場がマイナスまで下落して日経平均もいったんマイナス圏、16000円割れを起こすが、円安の流れがなおも続いていたためプラス圏に戻り、終盤は三たび16100円に接近して58円高の16085円で終えた。TOPIXは1300台に乗せて終了した。

 日経平均終値は58.75円高の16085.51円、TOPIX終値は+2.98の1300.83。売買高は22億株、売買代金は2兆1481億円で少なめ。値上がり銘柄数は980、値下がり銘柄数は838。プラスは20業種で、その上位は新年度予算案の年度内成立が確定し「次は補正予算の編成」と期待を集めた不動産、建設以下、食料品、陸運、鉱業、金属製品など。マイナスは13業種で、その下位は保険、電気機器、機械、輸送用機器、その他製品、ガラス・土石など。上海総合指数は1.68%高だった。