【今週の振り返り】平常心を保ちナチュラルに826円上昇した週

2016年03月05日 20:33

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2月15日の1069円高はわざとらしかった。だからその後は16000円前後で停滞した。3月2日の661円高はナチュラルだった。だから4日続伸して17000円に届いた。

 3月2日の日経平均は大幅続伸。3月初日のNYダウは、ISM製造業景気指数、建設支出の改善、2000年以来という新車販売台数の好調さ、終値で34ドル台まで回復した原油先物価格を好感して尻上がりに上昇し348ドル高。日替わりのリスクオン/オフ。朝方の為替レートはドル円が114円近辺、ユーロ円が124円近辺とアメリカの利上げ期待再燃でドル高円安が大きく進行し、CME先物清算値は16535円だった。

 日経平均は305円高の16391円で始まり、序盤で16459円の25日移動平均線を超えて16500円台に乗せる。北米市場で新車販売が好調な自動車セクターが買いを集める。リスクオンして前場は16500円台で安定し、カラ売りの踏み上げにあおられたワルノリ気味の「明日なき暴走」も起きず、好ましい傾向。10時台は落ち着きはらって16600円台に乗せ、上昇幅は500円高を超える。上海市場は小幅高で開始。11時台は16700円台に到達し全く崩れない。上海はプラス圏で上値追いし、日経平均は11時14分に16749円まで上昇。前引けは649円高の16734円。

 上海市場は大きく上昇して午前の取引を終える。後場は少し安く再開し16700円を割る時間もあったが、おおむね16700円台後半の水準を維持し、時々16800円台にもタッチし1時44分に16815円の高値をつける。ドル円は114円前後の水準をずっと維持。2時に再開した上海市場は上げ幅をさらに拡大するが、あおられることはない。アメリカ大統領選挙指名争いの天王山「スーパーチューズデー」は民主党クリントン、共和党トランプ両氏が勝利を確実にするが、株価も為替も「トランプ・リスク」は意識されない。おおむね16700円台後半の水準を保ったまま終盤も16800円にタッチし、終値は16746円だった。

 新規IPOが1件。ゴルフ関連の総合情報サービス企業、バリューゴルフ<3931>が東証マザーズに新規上場した。大引けまでに初値がつかず公開価格1280円の2.3倍の2944円の買い気配で終了した。

 日経平均終値は661.04円高の16746.55円、TOPIX終値は+48.78の1349.61。売買高は24億株、売買代金は2兆5934億円。値上がり銘柄数は1824、値下がり銘柄数は82。全33業種がプラスで、その上位は鉄鋼、保険、海運、電気機器、機械、輸送用機器など。下位は水産・農林、陸運、空運、小売、電気・ガス、情報・通信など。上海総合指数は最後まで上昇が続き4.26%高で終えた。

 3月3日の日経平均は大幅に3日続伸。原油先物価格が3日続伸し一時35ドル台。ADP雇用統計が市場予測を上回り、「ベージュブック(地区連銀経済報告)」が1~2月は「ゆるやかな拡大」と書いてもNYダウは上値が重くて方向性が定まらなかったが、終値は34.24ドル高で続伸。NASDAQもプラス。日本の3メガバンクが円高の見通しを出して朝方の為替レートはドル円が113円台後半、ユーロ円が123円台前半で少し円高。CME先物清算値は16700円だった。

 日経平均は50円安の16695円で始まる。TOPIXも小幅安。しかし序盤は一本調子で上昇し、16700円を超えてTOPIXとともにプラスに転換し、一気に16800円も突破してしまう。とりたてて材料はなく為替も動いていないので、カラ売りの「踏み上げ」によるターボ作動とみられる。いったん16800円を割り込むが、すぐ持ち直し9時台のうちに16900円を突破した。10時台は16900円台を維持し、10時21分に16955円まで上昇。次の大台17000円まであと45円。上海市場はマイナスで始まってもすぐにプラス圏に上がる。利益確定なのか11時台に16900円を割り込んでいったん16800円台前半まで下がるが、そこから戻し前引けは16895円だった。

 上海市場はマイナスになる時間もありながら小幅高で午前の取引を終了。後場の日経平均は少し安く再開しながら16900円をはさんが小動きが2時頃まで続く。再開した上海市場は小幅プラス圏を維持。ドル円は円安が進んで114円台に乗せ、2時台の日経平均は水準を少し上げて16930円付近に。しかしそのままでは終わらず2時台後半は16800円台に落ちる。それでも終盤は16900円台を回復して力強く上昇し大引け直前に16962円の高値を更新。大引けは16960円で、通貨単位を無視すればNYダウを上回った。3日続伸は昨年の12月末の大納会前の「掉尾の一振」以来で、今年になってから初めて。日経平均先物日中取引終値は16990円の高値引けで、17000円にあと10円まで迫っていた。

 新規IPOが1件。グラビア印刷加工、ドライラミネート加工、コーティング加工などを手がける大阪市の中本パックス<7811>が東証2部に新規上場。取引開始時の9時00分に公開価格1470円より10円高い1480円の初値がついた。資金吸収金額がやや大きくても業種が地味でも2部でも、白星は白星。前日に東証マザーズに上場し初値がつかなかったバリューゴルフ<3931>に9時16分、公開価格1280円の2.51倍の3215円の初値がついた。