女性専用車両、東西でルールが大きく違うことを知っていますか?

2016年03月21日 13:05

画・女性専用車両、東西でルールが大きく違うことを知っていますか?

すっかり定着した「女性専用車両」だが、関東と関西ではルールが大きく異なる。出張や旅行の際にルールの違いを知っておかないと、旅先で残念な思いをする恐れがあるのだ。

 すっかり定着した「女性専用車両」だが、関東と関西ではルールが大きく異なる。出張や旅行の際にルールの違いを知っておかないと、旅先で残念な思いをする恐れがあるのだ。

 まず、小学6年生以下の男子の場合、関東エリアでは男子単独で女性専用車両への乗車が可能だが、関西エリアではJR西日本<9021>、大阪市交通局、北大阪急行(北急)”以外”の鉄道会社は女性同伴でないと乗車が認められない。

 さらに、障がい者への対応も異なる。関東エリアではすべての鉄道会社で「障がいを有する男性の乗車および介助者が男性の場合の乗車も可」としているが、関西エリアではJR西日本、大阪市交通局、北急、京阪<9045>のみが同様の対応を取っている。

 近鉄<9041>、南海(泉北高速含む)<9044>は「身体に障がいを有する男性については女性同伴の場合のみ乗車可」。阪急阪神<9042>は「目の不自由な男性のみ単独乗車可、他の障がいを有する男性については女性同伴の場合のみ乗車可」。神戸鉄道<9046>、神戸市交通局、北神急行は「目の不自由な男性、車いす利用の男性のみ単独乗車可、他の障がいを有する男性については”女性”同伴の場合のみ乗車可」としている。

 日常的に女性専用車両を利用している女性の中に、鉄道ごとにこのような細かいルールが敷かれている事実を知る人はどれほどいるだろう。

 また、ルールだけでなく女性専用車両の設定位置にも違いがあり、関東エリアでは46路線中41路線が先頭または最後尾、関西エリアは31路線中27路線が中間車両に設定している。

 国内のみならず海外においても、日本の女性専用車両への意見はさまざまだが、車内での痴漢や盗撮の被害が完全に消滅しない限り、女性専用車両を必要とする人が減ることはないだろう。

 国土交通省によると、女性専用車両は「男性の乗車に対しては禁止する法的根拠はなく、男性利用者の協力のもとに成り立っているもの」としているが、社会的弱者とされる障がい者や子どもへのルールが鉄道ごとに異なるのはいかがなものか。(編集担当:久保田雄城)