今春の防衛大学校卒業の1割にあたる47人が任官辞退を行ったことについて、駆けつけ警護や宿営地での共同警護など新たな任務を含む安保法制も影響しているのではないかとの指摘に、中谷元防衛大臣は22日、「任官辞退者全員から聞き取り聴取した結果、平和安全法制の成立に言及した者はいなかったと聞いている」とし「平和安全法制の成立により、任官辞退が増えたという指摘は当たらないと考えている」と答えた。
防衛大学校卒業者は自衛隊の将来の幹部候補。一部では通常より辞退者に対し辞退を変更するよう熱心な働きかけがあったという報道もある。昨年の辞退者が25人だったことや例年の辞退者が5%前後にとどまっているなどから、安保法制の影響を指摘する声があがっている。
中谷防衛大臣は「過去にも1990年度は更に辞退者が多かったということで、それぞれの時代に応じて理由があると認識している」とした。
そのうえで47人の辞退理由について「学校側の調査では、他の仕事に就きたいという希望が26名。身体的理由で辞退した人11名、進学6名、その他4名ということで、それぞれ自らの適性、進路について真剣に考え抜いた結果で、最終的に任官の辞退を決断したということで、誠に残念だが、職業選択の自由が保障されている下にあり、やむを得ないことであるというふうに認識している」とした。(編集担当:森高龍二)