安保法制廃止法案を審議しない方針を自民、公明が確認したことに民進党の山井和則国対委員長代理は30日「対案を示せと言っていたのは安倍晋三総理だ」と厳しく政府・与党の姿勢を非難した。
山井国対委員長代理は「安保法制は国民の理解を得られていないし、(安保法制によって)まさに日本がテロに狙われる危険性が増し、(駆けつけ警護などの新任務で)自衛隊員のリスクも当然増すので、安保法制を廃止すべきと法案を出しているのだから、法案審議そのものを拒否するというのはあってはならない」と強く問題視した。
山井国対委員長代理は「世論調査を見ても安保法制に対して賛否両論大きく分かれているし、安保法制でプラスの面もあるかもしれないが、日本がテロに狙われる可能性も高くなるのではないか。また、南スーダンのPKO活動での駆けつけ警護は銃撃戦の訓練、先制攻撃の訓練も自衛隊員がせざるを得なくなるのではないか。さらに防衛大学校の卒業生の任官拒否が増え、自衛隊の家族の方々の不安も高まっている。そういう不安にも真摯に答えるのが国会だと思うが、審議拒否は国民に対してあまりに不誠実だ」と廃止法案審議拒否は国会議員としての責任を果たさないものだとの認識を示した。
安倍総理も自民など与党も、安保法制廃止法案で審議に入れば日米同盟の絆に影響するとの思惑や憲法違反とする世論の動きをより活発化させることになりかねず、参院選挙への影響なども見据えた判断があるとの見方もある。(編集担当:森高龍二)