再び注目が高まるNOR Flashメモリ。日本メーカーも参入へ

2016年04月02日 19:19

NORFlash

車載用途でNOR Flashメモリの需要が高まる中、ロームグループのラピスセミコンダクタは、128Mビットで業界初のエラー訂正符号回路と、出力ドライバビリティ調整回路を内蔵した、高信頼性NOR Flashメモリ「MR29V12852B」を開発した。

 自動車業界では今、電装化の動きが加速している。環境規制への対応、安全対策、情報化の進展、さらに近い将来には自動運転も現実味を帯びていることからも、車載用電子機器の市場は今後もますます拡大傾向にあるとみて間違いないだろう。

 そんな車載用電子機器の需要とともに、関心が高まっているのが不揮発性メモリだ。不揮発性メモリとは、電源を供給しなくても記憶データを保持する半導体メモリのことで、センサ、パワー・マネジメント、ログ・データの記録、ユーザー・プロファイル、セキュリティ情報など、様々な車載アプリケーションで活用されている。

 不揮発性メモリには、メモリセルの接続が直列のNAND Flashメモリと、並列のNOR Flashメモリがある。スマートフォンやデジタルビデオカメラなどには容量に強みのあるNAND Flashメモリが使われるのに対し、車載や産業用機器の用途には、前者に比べてランダムなアドレスの読み出しが速く、メモリセルの信頼性に優れるNOR Flashメモリが使用される。

 ところが、このNOR Flashメモリの市場においては、中国や台湾をはじめとする海外メーカーの独壇場であり、日本企業は蚊帳の外が現状だ。2012年にNOR Flashメモリの需要が世界的に激減したことも、日本企業の市場からの撤退に拍車をかけた要因のひとつだろう。また、車載アプリケーションを中心に徐々に需要が回復し、拡大傾向にある一方で、中国系企業などの台頭で価格が下落しており、参入しづらい市場状況でもある。

 そんな中、ロームグループ<6963>のラピスセミコンダクタが3月29日、128MビットNOR Flashメモリ「MR29V12852B」の開発を発表し、日本メーカーとしては唯一、このニッチな市場への展開を始めたことで注目されている。同社が開発した新NOR Flashメモリは、128Mビットで初めてメモリから読み出した際に起こり得るデータエラーを自動訂正するエラー訂正符号回路と、出力ドライバビリティ調整回路を内蔵。既存のメモリを同製品に置き換えることで、簡単かつ低コストにシステム上のデータエラー対策を実施することが出来るという。これらの特性から、高い品質が要求される車載機器や産業機器に最適で、システム全体の安定動作とコストダウンへの貢献が期待されている。

 現在、車載用途以外にも、産業用機器、そしてスマートメーターやホームセキュリティシステムなどでもNOR Flashメモリの採用が進んでいる。スマートフォン等の市場に比べると、規模は小さいものの、NOR Flashメモリの需要は着実に広がりを見せ始めている。ラピスセミコンダクタの新NOR FLASHメモリが、信頼性の高い製品力で、安価な海外メーカー品に対抗する日本メーカーの逆襲の狼煙となることを期待したい。(編集担当:藤原伊織)