【今週の展望】投資家の物色意欲は円高をも乗り越えるか?

2016年04月17日 20:11

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上値追いを妨げるレジスタンスラインは、抜いてしまえば下落時にストッパーになる。25日線と75日線を一気にゴボウ抜きした前週の週間騰落+1026円は、伊達じゃない。

 オシレーター系指標は25日移動平均線を突破して「売られすぎ」シグナルがきれいに消えたかと思いきや、ストキャスティクス(9日Fast/%D)が89.9で気の早い「買われすぎ」シグナルを発信している。14日は66だったが、15日に買われすぎ基準の70を一気に超えている。12~14日の3日間で1159円上昇し値動きが急だったためで、それほど気にする必要はない。それ以外の指標は、25日移動平均乖離率は14日に今月初めてのプラスに浮上し+1.5%、25日騰落レシオは104.7で100をオーバー、サイコロジカルラインは5勝7敗で41.7%、RSI(相対力指数)は44.9、RCI(順位相関指数)は+32.2、ボリュームレシオは38.1となっている。

 8日時点の需給データは、信用買い残は1日時点から643億円減の2兆6912億円で2週ぶりのマイナス。信用倍率(貸借倍率)も4.95から4.65に2週ぶりに減っていた。裁定買い残は2週連続で減少し2327億円減の1兆8117億円。信用評価損益率はマイナス14.37%で、1日時点のマイナス13.15%からさらに1.22ポイント動いた。年度変わりで激変した需給はそれほど改善しなかった。

 東証が発表した4月4日~8日の週の投資主体別株式売買動向によると、外国人は本当に久しぶり、14週ぶりの326億円の買い越しに転じた。個人は2週連続買い越しだが買越額は1107億円から110億円に減少。信託銀行は19週ぶりの売り越しが1週で終わり1541億円の買い越しに転じている。「需給三国志」が全て買い越し同盟になるという珍しいパターン。それでもカラ売り比率が8日以外は連日40%を超えて週間騰落は342円安だったのだから、世話ない。

 前々週はそんな状況だったが、前週11~15日のカラ売り比率は、11日こそ40.6%でも12日が39.9%、13日が38.0%、14日が35.9%、15日が37.6%と、30%台に下がった。それは需給の改善を示している。前々週は連日40%を超えて寒の戻りのようだったのが、前週はやっと春が来たと言える。日経平均VI(ボラティリティ・インデックス)も8日終値は27.54から15日終値は26.66と改善。恐怖指数にも春が訪れている。SQから1週間が経過し、カラ売り比率が改善して恐怖指数も低下。今週は需給要因による下げをそれほど心配する必要はなさそうだ。

 もう一度、移動平均線、日足一目均衡表、ボリンジャーバンドとの関係性を示すテクニカル・ポジションに戻って考えると、15日終値は下にサポートラインが多く、上にレジスタンスラインが少ない。ボリンジャーバンドの-1σ~+1σの範囲内でサポートラインになりそうなものは、上から順番に75日移動平均線、3月のメジャーSQ値、25日移動平均線、5日移動平均線、「雲」の下限と5つもある。そのうち25日線は最も強力だろう。一方、レジスタンスラインになりそうなものは「雲」の上限と、17000円ちょうどの心理的節目の2つぐらいしかない。

 ということは、上にも下にも動きやすいニュートラルなゾーンにあるものの、下落時の下値は障害物にひっかかりやすく、逆に上昇時の上値は比較的スムーズに上がっていけると考えられる。それでも前週の週間騰落が+1026円もあったので、上昇するとしてもどこかで踊り場がくることだろう。

 経済指標、イベントは、国内は大したものがないが、海外は17日のドーハの産油国会合、21日のECB理事会、アメリカ主要企業の1~3月期決算ラッシュなど、日経平均株価の最大の敵「ドル安円高」をもたらしそうなものがいろいろ控えている。国内政策がらみのサプライズでもない限り、110円を超えるような円安に振れるのは考えにくい。

 今週、16989円、17000円を超える「雲抜け」「節目抜け」があるとしても、週間騰落はよくて300円程度の上昇にとどまると思われる。ボリンジャーバンドの25日線+1σの17122円あたりまでくれば、そこで頭を抑えられるのではないか。

 一方、下値のほうは需給が改善しており、移動平均線やSQ値の抵抗を何度も受けそうなので、下げても日足一目均衡表の雲から下へ落ちるようなことはなく、今週は16459~16485円に位置する雲の下限でストップすると思われる。特に25日移動平均線のサポート力は強く、そこで旺盛な押し目買いが入りそうだ。

 ということで、今週の日経平均終値の予想変動レンジは16450~17150円とみる。人が亡くなった熊本の大地震は不幸な出来事だが、15日は震災復興需要を見込んで建設関連、住宅メーカー、九州のホームセンターなど関連銘柄がさっそく買われていた。一時期はひどく凹んでいた投資家の物色意欲が回復してきた手ごたえが、そこにはあった。(編集担当:寺尾淳)